呼吸を科学する
―息の長い話―

呼吸を科学する

著者 西野 卓
ISBN 978-4-7719-0434-7
発行年 2014年
判型 B5
ページ数 172ページ
本体価格 3,200円(税抜き)
電子版 なし


呼吸=息=生 を解き明かす奥深く、かつ真剣な物語です!

すべての医療人のための“呼吸”に関わる教養書です。
呼吸生理学の歴史から最先端のiPS細胞まで、“呼吸”にまつわる深遠な物語が満載です。

プロローグ

ラヴォアジェの功績

I.息をする仕組み

呼吸中枢
呼吸中枢からの出力
呼吸筋の特性
低酸素刺激と二酸化炭素刺激
化学受容器
化学調節
呼吸の化学調節研究発展の陰で
肺を守る咳の役目
1.気道防御反射
2.気道防御反射以外の肺を守る機能
呼吸に付随した高度な機能と行動性調節
1.話すということ
2.泣くこと、笑うこと
人工呼吸
1.バッキング(bucking)とファイティング(fighting)
2.ピープ(PEEP)とシーパップ(CPAP)

II.肺におけるガス交換

ガス交換の仕組み
1.胸郭の構造
2.気道と肺の構造
3.肺循環
(a)死腔と肺シャント
(b)低酸素性肺血管収縮
4.人工肺
5.哺乳類とほかの脊椎動物の違い
(a)鳥
(b)魚
(c)両生類と爬虫類
血液による酸素と二酸化炭素の運搬
1.ヒトヘモグロビンの特性
2.長時間潜水できる能力
3.パルスオキシメータと酸素飽和度
4.組織呼吸
5.血液ガスと酸塩基平衡
(a)物理的緩衝作用
(b)呼吸による緩衝作用
(c)腎による緩衝作用
6.酸塩基平衡障害の治療

III.呼吸機能検査

二酸化炭素換気応答および低酸素換気応答
気道防御機能反射
スパイロメトリー
フローボリューム曲線
肺拡散能

IV.息を始め、息を続けること

産声(うぶごえ)
未熟児無呼吸発作
成人の無呼吸発作
環境変化への適応
1.運動適応
2.高所適応
3.低酸素環境
4.高圧環境

V.呼吸器系に発生する症状

胸痛
気道違和感
動悸

くしゃみ
しゃっくり
血痰・喀血
呼吸困難
喘鳴
鼾(いびき)
嗄声

VI.呼吸器系の病気

呼吸器系の代表的な病気
1.喘息
2.喘息性気管支炎
3.慢性閉塞性肺疾患
4.感染症
(a)上気道炎
(b)気管支炎
(c)肺炎
(d)肺結核
(e)肺真菌症
(f)誤嚥性肺炎
5.ARDS(急性呼吸窮迫症候群)
6.気胸
7.悪性腫瘍
8.良性腫瘍
9.肺サルコイドーシス
10.肺血栓塞栓症
11.睡眠時無呼吸症候群
12.重症筋無力症
呼吸障害
1.換気障害
2.酸素化障害
3.そのほかの障害
呼吸器疾患の治療法と問題点
1.抗生物質の不適切な使用
2.人工呼吸関連肺傷害(ventilatory-associated lung injury:VALI)
3.肺移植医療とその問題点
4.再生医療
5.呼吸リハビリテーション

VII.呼吸と肥満

肥満の定義と日本の現状
肥満の要因
肥満の呼吸への悪影響
やせるためには
薬物療法
外科療法

VIII.麻酔と呼吸

麻酔の発見
麻酔による呼吸調節系の変化
麻酔による呼吸メカニクスの変化
麻酔関連薬物の気道抵抗に与える影響
周術期の低酸素性肺血管収縮
呼吸器外科手術と麻酔

IX.呼吸器系のあまり知られていない機能(非呼吸性機能)

代謝臓器としての肺
薬物投与経路
代替医療と呼吸

エピローグ

コラム一覧
医学研究の暗黒時代
呼吸リズムの形成
呼吸筋の疲労
末梢化学受容器と動脈圧受容器
気道防御反射の種差
食道発声と人工喉頭
人工呼吸の歴史
人工呼吸による換気モード
人工肺サーファクタント
心肺蘇生
人工赤血球
マラリアと鎌状赤血球
ミトコンドリアと運動能力
糖尿病と代謝性アシドーシス
化学感受性と換気量測定の問題点
ガスメディエータとしての一酸化炭素
新生児遷延性肺高血圧
先天性無痛無汗症
過換気症候群の治療
咳失神
呼吸困難と疼痛の共通性
呼吸困難感の質の違い
いびきとアルコール
反回神経の損傷
喘息死
COPDに対する外科療法
N95マスク
間質性肺炎
エコノミー症候群
睡眠時無呼吸症候群と事故
胸腺と重症筋無力症の関係
肥満治療の費用
麻酔と呼吸に関連した素朴な疑問
麻酔薬の残存効果
座禅の呼吸法とセロトニン