気管支肺胞洗浄(BAL)法の手引き
改訂第3版

気管支肺胞洗浄(BAL)法の手引き

編集 日本呼吸器学会びまん性肺疾患学術部会、厚生労働省難治性疾患政策研究事業びまん性肺疾患に関する調査研究班
ISBN 978-4-7719-0489-7
発行年 2017年
判型 A4
ページ数 218ページ
本体価格 7,600円(税抜き)
電子版 なし


日本呼吸器学会編集『BAL法の手引き』が10年ぶりに改訂!

新知見の収録はもちろん、豊富な画像、全国アンケートを掲載することで、初心者にもわかりやすくなりました。

実践編

I BAL法の実際

A.BALとは何か?
1.BALの定義,臨床的意義,適用と禁忌(朝川勝明,半田知宏,中田 光ほか)
1.BALとは?
2.BALにより何がわかるか?
3.BALの普及状況
4.BALの適応疾患と限界
5.BALの安全性と禁忌
B.BALを実施するまで
1.準備すべき物品,前処置について(半田知宏,谷澤公伸,中田 光ほか)
6.検査前に行うべきこと
7.前投薬はどうするか?
8.BAL法を行う環境について
C.BALの実施
1.楔入と生理食塩水の注入,回収について(谷澤公伸,朝川勝明,半田知宏,中田 光ほか)
9.気管支ファイバースコープの選択
10.BALを行う場合の気管支ファイバースコープの挿入方法
11.楔入(ウェッジ)の仕方
12.生理食塩水の注入方法
13.生理食塩水の注入量
D.BALの終了
1.検査後の注意(石井晴之,朝川勝明,中田 光ほか)
14.BALとTBLB,EBUS-TBNAを併用する場合
15.BALの終了と終了後に注意すること
E.BAL法の手技のまとめ(半田知宏,林 正周,中田 光ほか)
16.BAL法の手技のまとめ
F.小児呼吸器疾患におけるBAL(武藤雄一郎,溝部孝則)
17.小児におけるBAL
G.回収BALFの処理,検査,解析(皿谷 健,石井晴之,中田 光ほか)
18.BALF の処理のフロー
19.BALF を処理するための人と設備
20.BALF の処理は,臨床研究の登竜門
1.BALFの処理と解析の手技(朝川勝明,林 正周,大橋瑠子,中田 光ほか)
21.回収BALFの保存と移動
22.BALF処理に必要な機材と消耗品
23.BALF処理に用いるディスポーザブルプラスチック製品など
24.回収BALFの濾過と分注
25.細胞の遠心と再浮遊
26.細胞密度の算定
27.サイトスピン標本の作製
28.サイトスピン標本の湿固定と染色
29.各種染色をどのように使い分けるか?
30.サイトスピン標本による細胞分画
2.代表的な出現細胞の形態と判別法トレーニング(大橋瑠子,中田 光)
31.各細胞分画の代表的な形態
32.分画を迷う細胞,その他について
3.BALFリンパ球のサブポピュレーション解析(半田知宏,大橋瑠子,谷澤公伸,中田 光ほか)
33.BALFのリンパ球のサブポピュレーション解析
34.フローサイトメトリーによる細胞表面抗原の検出の原理
35.どのような場合にフローサイトメトリーが有用か?
4.BALF解析報告書の書き方(林 正周,谷澤公伸,皿谷 健,中田 光ほか)
36.BALF解析報告書
H.BALFを用いた臨床研究(伊藤祐子,竹内志穂,中田 光)
37.臨床研究を始める前に
38.データベースを設計する
39.BALF上清の保存
40.BAL細胞の保存
41.BAL細胞を用いたリンパ球刺激試験
42.BAL細胞中の肺胞マクロファージの分離精製
43.BAL細胞からのRNA 抽出とcDNA 合成
44.BAL細胞からの蛋白抽出とウェスタンブロッティング
45.BALF上清の蛋白分析
I.BALに関する倫理的配慮(田澤立之,中田 光)
46.医療倫理の原則
47.気管支鏡検査のインフォームドコンセント
48.臨床研究の原則
49.過去に採取され保存されている臨床検体の取り扱い
アンケート協力施設

各論編

II 各疾患のBAL所見と検査の意義

A.正常所見と喫煙による変化(桑野和善)
B.びまん性間質性肺疾患
1.特発性間質性肺炎
a.特発性肺線維症(IPF)(坂本 晋,本間 栄)
b.非特異性間質性肺炎(NSIP)(大塚満雄,高橋弘毅)
c.特発性器質化肺炎(COP)(林 宏紀,吾妻安良太)
d.急性間質性肺炎(AIP)(武政聡浩)
e.剥離性間質性肺炎(DIP)・呼吸細気管支炎を伴う間質性肺炎(RB-ILD)(坂東政司)
f.リンパ球性間質性肺炎(LIP)(小倉高志,池田 慧)
g.間質性肺炎の急性増悪(橋本成修,田口善夫)
2.膠原病性間質性肺炎(河野雅人,中村祐太郎,須田隆文)
3.薬剤性肺障害(渡辺憲太朗)
4.放射線肺炎(浅井一久,平田一人)
5.過敏性肺炎(古澤春彦,稲瀬直彦)
6.サルコイドーシス(藤本 源,小林 哲,田口 修)
7.好酸球性肺炎(東本有司,東田有智)
8.じん肺(城戸貴志,森本泰夫,迎 寛)
C.その他のびまん性肺疾患
1.肺胞蛋白症(PAP)(井上義一,寺本友昭,笠井孝彦)
2.肺胞出血(永田一真,富井啓介)
3.ランゲルハンス細胞組織球症(豊田優子,西岡安彦)
4.急性呼吸窮迫症候群(ARDS)(一門和哉)
D.閉塞性肺疾患
1.気管支喘息(石井芳樹)
2.慢性閉塞性肺疾患(COPD)(林ゆめ子,石井芳樹)
3.びまん性汎細気管支炎(慶長直人)
4.閉塞性細気管支炎(長谷川好規,橋本直純)
E.呼吸器感染症
1.細菌性肺炎(吉川裕喜,門田淳一)
2.マイコプラズマ肺炎・クラミドフィラ肺炎(金城武士,藤田次郎)
3.ニューモシスチス肺炎(田坂定智)
4.サイトメガロウイルス肺炎(照屋勝治)
5.肺結核症(朝倉崇徳)
6.非結核性抗酸菌症(鈴木翔二)
7.人工呼吸器関連肺炎(藤島清太郎)
F.肺癌(中鉢久実,弦間昭彦)

III BALの治療応用

A.肺胞蛋白症に対する肺胞洗浄法(赤坂圭一,中田 光)
B.BALの治療応用(肺胞蛋白症以外)(近藤康博,鈴木 淳,富貴原淳)

IV BALの今後の展開

A.エクソソーム解析(山田充啓)
B.BALにおけるオミックスの活用(武田吉人)