ADVANCE SERIES I-7 口唇裂・口蓋裂の治療:最近の進歩

ADVANCE SERIES I-7 口唇裂・口蓋裂の治療:最近の進歩

監修 東京大学教授 波利井清紀
編集 近畿大学教授 上石 弘
著者 近畿大学教授 上石 弘
ISBN 978-4-7719-0161-2
発行年 2000年
判型 A4
ページ数 220ページ
本体価格 20,000円(税抜き)
電子版 なし


要旨

長い歴史をもつ口唇裂・口蓋裂の治療のなかで最近の進歩とは何であろうか。本書では,治療の現状こそ進歩の最前線であるとの考えから,口唇裂・口蓋裂の治療における最近の進歩を探ってみた。

口唇裂 ・口蓋裂の手術では患者の数だけヴァリエーションがあり,術者の数だけ術式があるとまでいわれることがある。これまで実に多くの考案がなされて きたが,今日では,大半の症例では初回手術だけでQOLに支障をきたすこともなく解決できるまでに至っている。このような現状を支えている基盤には新しい 治療概念の導入,新しい治療技術の開発,術式の精巧化などがあり,随所に紹介させていただいた。またテーマによっては異なった考え方もあり,それを補足し 新しい考え方の位置付けや普遍的な見解にも配慮してコメント形式による解説をしていただいた。

本書が口唇裂・口蓋裂の日常治療を見直すきっかけになれば幸いであると考えている。なお,両側性完全唇裂では,依然として未解決の問題点を残し先送りせ ざるを得ないのが現状であるが,本書によってそれをもう一度再確認していただき,更なる前進のターゲットにしていただけるならば編者として望外の喜びである。

1995年6月
近畿大学医学部形成外科
上石 弘

I.口唇裂の治療

1.口唇形成術の進歩
上石  弘
3
A.白唇部の形成/3  
B.赤唇部の形成/5  
C.粘膜側の形成/9  
D.顎裂部の形成/9
E.鼻腔底の形成/9  
F.外鼻の形成/10  
G.筋層の形成/11  
H.口唇形成術における向後の課題/12

2.口唇粘膜側,顎裂部の形成
秦  維郎
14
A.概念/14  
B.解剖/14  
C.術前の評価/15  
D.手技/15  
E.術後の管理/16  
F.症例の供覧/17  
G.考察/18
2.「口唇粘膜,顎裂部の形成」へのコメント…鬼塚 卓弥…20

3.鼻腔底の形成
森口 隆彦
21
A.概念/21  
B.解剖/22  
C.術前の管理/22  
D.手術手技/22  
E.術後の管理/26  
F.症例の供覧/27  
G.考察/28
3.鼻腔底の形成」へのコメント…福田  修…31

4.口唇形成術における筋層の形成(片側性・両側性)
秦  維郎
32
A.概念/32  
B.解剖/33  
C.術前の評価/36  
D.手技/36  
E.術後の管理/37  
F.症例の供覧/37  
G.考察/40
4.口唇形成術における筋層の形成(片側性・両側性)」へのコメント…奈良  卓…42

5.早期手術
中島 竜夫・吉村 陽子
43

A.新生児期の対応/43  
B.口唇裂の手術/44  
C.口唇裂早期手術の利点/48

6.口唇形成術の術前・術中・術後管理
髙戸  毅
52

A.術前管理/52  
B.術中管理/55  
C.術後管理/56

7.初回手術における外鼻の修正
松尾  清
59
A.解剖と概念/59  
B.術前の評価/61  
C.手術手技/61  
D.術後の管理/61  
E.症例の供覧/63  
F.考察/63
7.「初回手術における外鼻の修正」へのコメント…大浦 武彦…68

8.両側唇裂の初回手術
杉原 平樹・井川 浩晴
70
A.術前の評価/70  
B.術前顎矯正/70  
C.手術手技/72  
D.術後管理/74  
E.症例の供覧/74  
F.考察/75
8.「両側唇裂の初回手技」へのコメント…丹下 一郎…77

II.口蓋裂の治療

9.口蓋形成術における最近の進歩
森口 隆彦
81
A.手術の目的/81  
B.手術年齢/81  
C.術式の変遷/82  
D.必要なチームアプローチ/88

10.軟口蓋鼻腔側の延長法
栗原 邦弘
91
A.鼻腔側延長法の分類/91  
B.総括/98
10.「軟口蓋鼻腔側の延長法」へのコメント…藤野 豊美…101

11.披裂筋の処理法
藤井  徹
104

A.口蓋の筋肉の解剖/104  
B.手技/105  
C.考察/108

12.口蓋粘膜弁法
鳥飼 勝行
111
A.Perko法/111  
B.上石法/112  
C.粘膜移植粘膜弁法/112  
D.症例の供覧/114
E.考察/114
12.「口蓋粘膜弁法」「20.軟口蓋の再延長法」へのコメント…塚田 貞夫…116

13.口蓋裂の二期的閉鎖法
中島 竜夫・辻川 孝昭
119

A.治療法/120  
B.結果/126  
C.考察/127
13.「口蓋裂の二期的閉鎖法」へのコメント…一色 信彦…130

14.口蓋形成術の術前・術中・術後の管理
渡辺 克益
132
A.口蓋形成術の術前管理/132  
B.口蓋形成術の術中管理/133  
C.口蓋形成術の術後管理/133

III.口唇裂の二次手術

15.片側唇裂における外鼻の二次手術
田嶋 定夫
137
A.手術時期/138  
B.外鼻変形に関連する外的因子(extrinsic factors)とその対策/138
C.Reverse-U切開法による外鼻修正術/142

16.両側唇裂における外鼻の二次手術
西村 善彦
148
A.正常外鼻の臨床解剖/149  
B.両側唇裂鼻形態の主因/150  
C.治療法の概念/150  
D.手技/150  
E.症例の供覧/152  
F.考察/152

17.Open Reverse-U Incision法による片側唇裂外鼻二次形成術
原科 孝雄
155
A.術前の評価/155  
B.手術法/155  
C.考察/156

18.骨移植による外鼻の二次修正手術
波利井清紀・高戸  毅
160
A.術式/160  
B.症例の供覧/162  
C.X線像上の変化/162  
D.考察/162

19.両側唇裂における口唇の二次手術
前田 華郎
168
A.術後にみられる瘢痕と変形/168  
B.考察/170  
C.以上の問題点を考慮した両側唇裂手術法/171
III.「口唇裂の二次手術」へのコメント…鬼塚 卓弥…175

IV.口蓋裂の二次手術

20.軟口蓋の再延長法(Re-push back法)
平本 道昭
179
A.概念/179  
B.術前の評価/180  
C.手技/181  
D.術後の管理/182  
E.症例の供覧/182  
F.考察/183

21.咽頭弁形成術
澤田 正樹
186
A.鼻咽腔閉鎖動態と咽頭弁手術の基本概念/188  
B.閉鎖機能の評価と診断/188  
C.閉鎖不全の治療手術手技を中心に/189  
D.考察/191
21.「咽頭弁形成術」へのコメント…長田 光博…194

上石  弘