腫瘍・母斑・血管奇形
形成外科治療手技全書 V

腫瘍・母斑・血管奇形
監修 波利井清紀・野崎幹弘
編集 平林慎一・川上重彦(総編集)/ 磯貝典孝・山本有平
ISBN 978-4-7719-0501-6
発行年 2018年
判型 B5
ページ数 226ページ
本体価格 13,000円(税抜き)

第1章 生検
生検(田中克己)
I パンチによる皮膚生検
II 切除による皮膚・軟部腫瘍生検

第2章 皮膚良性腫瘍,母斑
1.上皮・付属器系(清澤智晴)
粉瘤/皮様嚢腫/石灰化上皮腫/脂漏性角化症/日光黒子/アクロコルドン/脂腺母斑/尋常性疣贅
2.神経堤系(梶川明義)
色素性母斑/皮膚線維腫/神経線維腫と神経鞘腫
3.間葉系(黒川正人)
脂肪腫/外骨腫/ガングリオン/指粘液嚢腫/腱滑膜巨細胞腫

第3章 皮膚・軟部組織悪性腫瘍
1.日光角化症(吉龍澄子)
特徴・症状/診断/一般的な治療法/予後
2. 上皮・付属器系
1)上皮内癌(ボーエン病)(中岡啓喜)
特徴・症状/診断/鑑別診断/一般的な治療法/予後
I ボーエン病 下腿
II ボーエン病 上背部
2)基底細胞癌(寺師浩人・野村 正)
特徴・症状/診断/鑑別診断/一般的な治療法/予後
I 下眼瞼
II 鼻部
3)有棘細胞癌(山内 誠)
特徴・症状/診断/鑑別診断/一般的な治療法/予後
I 口唇
II 耳介
III 頭部
4)脂腺癌(朝村真一)
特徴・症状/診断/一般的な治療法/予後
下眼瞼に対するHughes flapを用いた再建
3.神経外胚葉・間葉系
1)乳房外パジェット病(橋本一郎)
特徴・症状/診断/鑑別診断/一般的な治療法/予後
I 外陰部・男性
II 外陰部・女性
III 腋窩部
2)悪性黒色腫(古川洋志・山本有平)
特徴・症状/診断/鑑別診断/一般的な治療法/予後
I 母指:爪床原発黒色腫(IP 切断と掌側皮弁を用いた再建)
II 母指:局所皮弁による再建
III 頬部:植皮による再建
IV 踵部:内側足底皮弁による再建
3)軟部肉腫について(澤泉雅之)
特徴・症状/分類/検査所見/標準的治療方針/予後
4)隆起性皮膚線維肉腫(竹内正樹)
特徴・症状/診断/一般的な治療法/予後
左大腿外側部
5)脂肪肉腫(漆舘聡志)
特徴・症状/診断/一般的な治療法/予後
頬部

第4章 血管腫,血管奇形
1.乳児血管腫(朴 修三)
特徴・症状/診断/鑑別診断/一般的な治療法
I 薬物療法:プロプラノロール内服療法
II 色素レーザー
III 外科的切除術
2.毛細血管奇形(河野太郎・今川孝太郎・赤松 正)
特徴・症状/診断/レーザー治療/外科的治療
I レーザー
II 外科的切除術
3.静脈奇形(髙木信介)
特徴・症状/診断/鑑別診断/一般的な治療法
I 硬化療法
II 外科的切除術
4.動静脈奇形(野村 正・寺師浩人)
特徴・症状/診断/鑑別診断/一般的な治療法
I 外科的切除術(四肢)
II 外科的切除術(頭頸部)
III 硬化療法を含む血管内治療
5.リンパ管奇形(尾崎 峰)
特徴・症状/診断/一般的な治療法
Ⅰ 外科的切除術(背部)
Ⅱ 硬化療法

第5章 唾液腺の腫瘍
1.耳下腺(林 礼人)
特徴・症状/診断/一般的な治療法
耳下腺腫瘍に対する外科的切除術
2.顎下腺,舌下腺(林 礼人)
特徴・症状/診断/一般的な治療法

第6章 リンパ節郭清
1.センチネルリンパ節生検(林 利彦・山本有平)
概要/原発巣とSLN/合併症と予防
方法
2.頸部(中川雅裕・鬼塚哲郎)
概要/郭清範囲/合併症と予防/手術
手技
3.腋窩部(藤原雅雄・深水秀一)
概要/郭清範囲/合併症と予防
手技
4.鼠径部・骨盤内(前田 拓・山本有平)
概要/郭清範囲/合併症と予防
手技

第7章 知っておきたい知識
1.メラノーマの薬物治療(堤田 新)
免疫チェックポイント阻害薬/低分子性分子標的薬/治療薬の選択/今後の展望
2.血管奇形の画像診断(長尾宗朝)
画像診断への手順/画像診断の役割/画像診断に用いられる医療機器の特徴と選択/疾患別血管奇形の画像診断/画像診断のプロセス
3.悪性腫瘍の画像診断(元村尚嗣)
原発腫瘍の画像検査/リンパ節の画像検査
4.神経皮膚症候群(諸富公昭)
神経線維腫症1型(レックリングハウゼン病)/神経線維腫症の治療

「腫瘍・母斑・血管奇形」を発刊する運びとなりました。形成外科治療手技全書シリーズの4 冊目となります。
本書は,これまで発刊した「形成外科の基本手技Ⅰ」,「形成外科の基本手技Ⅱ」,「創傷外科」と同様に各項,総論と各論の構成となっており,臨床の場に役立つ実践書として活用していただきたいと思っています。
今回取り上げた腫瘍,母斑,血管奇形は,形成外科の日常診療において最も診療機会の多い領域です。とくに,腫瘍は形成外科が手術対象として扱うことの多い疾患のひとつであります。しかしながら,形成外科医はともすれば手術治療にのみ目が行きがちとなり,腫瘍の分類や病態,その元となる病理組織像については病理診断医の診断を鵜呑みにする傾向があるのではないかと思います。本書では, 各執筆者に日常診療に役立つ標準的な治療法について記述をお願いしましたが,併せて,腫瘍・母斑・血管奇形病変を理解するための基本的な事項として,分類・病態・病理組織像・診断(鑑別診断を含む)についても詳細な記述をお願いいたしました。
本書を座右の書として日常診療に活用していただくことで,腫瘍などの病変を単に治療するだけではなく,病変の全体像を把握し,鑑別診断も念頭に置きながら治療を行う形成外科医が育つことを願っています。

2018年3月1日

総編集 平林 慎一
川上 重彦
編 集 磯貝 典孝
山本 有平