創内持続陰圧洗浄療法マニュアル
感染創がこんなに早く治る!?

創内持続陰圧洗浄療法マニュアル
編集 清川兼輔
ISBN 978-4-7719-0500-9
発行年 2018年
判型 B5
ページ数 132ページ
本体価格 8,000円(税抜き)

I 基礎知識
1.IW-CONPIT開発の経緯(清川兼輔)
2.IW-CONPITにおける基礎実験と,より効果的な方法(守永圭吾)
3.吸引器の工夫(山内大輔)
4.IW-CONPITの適応と禁忌(寺田小百合,王丸陽光)

II AR動画でわかる! IW-CONPITの基本手技
(范 綾)

III IW-CONPIT実践治療マニュアル
1.頭部の感染創-閉鎖式創内持続陰圧洗浄療法-(小山麻衣)
2.縦隔洞炎(人工血管露出例を含)(橋口晋一郎)
3.慢性膿胸(肺瘻,気管支瘻を含)(力丸由起子)
4.腹部離開創(消化管露出例を含)(力丸由起子)
5.褥 瘡(春日 麗)
6.足潰瘍(井野 康)
7.異物感染(右田 尚)
8.開放骨折(Gustilo type IIIB)(力丸英明)

刊行にあたって

感染を伴う難治性創傷の治療は,創傷治療の専門家である形成外科医にとっても非常に難しい問題の1つです。以前は,術後の創が治らないため半年以上入院している患者さんや,褥瘡が治癒せずに退院できないという患者さんが実際にたくさんいました。それでも,入院しているだけで病院は黒字になる時代でした。しかし,現在では在院日数の短縮や重症度などの問題で,このような患者さんを長期に入院させていると,急性期の病院は大幅な赤字に転落する時代になりました。すなわち,創を早く治し,患者さんに退院もしくは転院していただくことが必要とされる時代となったのです。
この「感染を伴う難治性創傷をいかに早く治すか」という問題に対して極めて有効な方法が,われわれの開発した「創内持続陰圧洗浄療法」です。実際に本法を用いて,100例以上に及ぶとても治りそうにない創を治してきました。例えば以前は50%以上といわれていた縦隔洞炎の死亡率を,今では10%以下にまで減少させることができました。さらに本法には,医師や看護師の労働力を大幅に削減できることや,どこの施設でも誰でも行えるなどの利点もあり,今後の創傷治療において必要不可欠なものになると考えています。
本書では,本法開発の経緯から理論を含めた総論,そして身体の各部位における各論についてわかりやすく解説します。「創内持続陰圧洗浄療法」が読者の皆様にとって身近なものになり,感染創を有する多くの患者さんが,そして多忙な医師や看護師がその恩恵を受けられるようになれば幸甚に存じます。
2018年3月
久留米大学医学部形成外科・顎顔面外科学講座主任教授 清川 兼輔