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△(可能だが通常行わない)《表1》単変量解析〇〇〇〇×《表2》みかん111039130Ⅱ章 治療のメタアナリシスに必要な統計学34観察研究を中心に多変量解析(multivariate analysis)がしばしば用いられます。一般の観察研究で2群を比較する場合、単変量解析で治療の効果量を評価すると、強いバイアスがかかってしまいます。交絡(confounding)を除去するために多変量解析が必要です。多変量解析により共変量(covariate)を調整された〔調整済み(adjusted)〕統計量はメタアナリシスにも用いることができます《表1》。代表的な多変量解析は、重回帰分析(multiple regression)とロジスティック回帰分析(logistic regression)ですが、前者の原型を小学校高学年のときに手計算で解いていたはずですので、復習を兼ねて本節でご説明させていただきます。3人の買い物客がスーパーに果物を買いに行き、リンゴとみかんを買いました《表2》。エコバッグを持っていないので、毎回ビニール袋を1袋有料で購入する必要があります。3人の買物内容と金額を整理した結果を表にまとめました。さて、リンゴはいくらでしょうか? この問題を解く場合、中学生なら三元連立一次方程式として解を求めます。小学生は方程式が使えないので式を足したり引いたりして、パズルのようにしてこの問題を解きます。答えはリンゴ100円です。なお、みかんは50円、ビニール袋は10円です。統計ソフトで重回帰分析を行ってもまったく同じ答えになります。合計金額=リンゴ数×100円+みかん数×50円+10円という予測式が導かれたことになります。傾向スコアマッチ観察研究一般の観察研究客1客2客3RCTリンゴビニール袋多変量解析合計金額110460460重回帰分析とそのほかの多変量解析03

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