《図1》《図2》←(b)two-gate design169人を評価する研究はone-gateです。CTで肺塞栓ありの15人とCTで肺塞栓なしの80人を集めるのがtwo-gateです。これは、データ収集が前向きかどうかという問題とは関係ありません。5年前から現在までの救急外来のカルテを後方視的に確認して肺塞栓疑いの100人を収集してもone-gateになります。two-gateでバイアスの入り込みやすいポイントが2つあります。臨床をしていると疾患の有無は必ずしも明確ではなく、たぶん疾患あり、たぶん疾患なし、という状態を含めてスペクトラムになっているはずです。one-gate design《図2─a》だと、この判断の難しい5人もCT所見から無理やり肺塞栓の有無を判定されることになります。そもそも疾患があるのかどうかよく分からない患者も交えて診断検査(D-dimer)を評価することになります。一方two-gate design《図2─b》では、参照基準で判断に悩んだ人(5人)が評価対象から外れます。two-gate designだと、参照基準で診断のあいまいな人々を除く有疾患可能性検査結果(解釈)有疾患可能性検査結果(解釈)肺塞栓疑いでD-dimerを測定(n=100)疾患あり80%100%真陽性偽陰性(多い)(a)one-gate design疾患あり80%100%真陽性診断に悩ましい患者が除外される偽陰性(少ない)CTで肺塞栓あり(n=15)CTで肺塞栓の有無が判断できない(n=5)CTで肺塞栓なし(n=80)60%40%偽陽性(多い)60%40%偽陽性(少ない)→疾患なし20%0%真陰性疾患なし20%0%真陰性
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