カンファでおさえる小児麻酔(サンプル)
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指導医指導医指導医指導医1.病棟で補正に使用していた静脈路が漏れたので吸入麻酔薬で麻酔導入後に新たに静脈路を確保する2.胃管による胃内容吸引を行う3.誤嚥の予防のために覚醒下挿管とする4.チオペンタールとロクロニウムを同時に投与する5.輪状軟骨圧迫は必須であるB先生A先生B先生問2 小児外科医による脱水と電解質補正が行われ,手術の予定が組まれた。正しいものはどれか。2つ選べ。10手術はどのような手技が知られていますか?肥厚した幽門輪に割をいれるRamstedtの手術が有名です。開腹手術の場合は胃管を通して少量の空気を注入して通過を確認しますが,腹腔鏡では難しいです。A先生,麻酔の組み立てはどうしますか?胃液誤嚥の可能性があるので,少量のフェンタニルを投与して覚醒時挿管にしたいと思います。以前は覚醒時挿管をしなければならないとされていましたが,最近は覚醒時挿管のデメリット,すなわち循環変動や口腔内の損傷が多いことが指摘されて静脈麻酔と筋弛緩薬の導入でよいというように変化しています。覚醒時挿管に比較しても誤嚥のリスクは特に増えないと報告されています4)。麻酔導入前に仰臥位,左右側臥位,頭低位,頭高位で丁寧に胃内容物を吸引します。麻酔の導入の実際はどうしますか?新生児でのプロポフォールの使用は慎重でなければいけません。新生児でプロポフォールを投与して遷延性の低血圧になったという報告があります。日本では麻酔導入に使用する際に年齢制限はありませんが,米国では3歳以上,英国では2カ月以上となっています5)。チオペンタールやチアミラールは使用経験も多く安全に使用できます。投与量は分布容積が多いので4~6 mg/kg必要となります。ではプロポフォールとロクロニウムで挿管します。

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