meta-analysis
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─36─キーワード検索で集められた文献から,研究テーマである仮説に回答を与える質の高い文献を選び出す重要な作業です。この作業がメタアナリシス全体の質を決めるといっても過言ではありません。取りこぼしのないように広い範囲で集められた文献には,設定した仮説にそぐわない研究も多く含まれています。どのような患者を対象にしたか(P),どのように介入したか(I),どのようなアウトカムを測定したか(O)は,個々の研究によって異なるのが普通です。いくつかの文献を読んでみて,設定した仮説に適切な回答を与える取捨選択の基準を作ります。具体的には除外基準(exclusion criteria)によって,文献を絞り込んでいく作業です。この基準に基づいて,タイトル,アブストラクト,あるいは本文を照らし合わせて,不必要な文献を捨てます。さらに,絞り込んだ文献が適格基準にマッチするかを最終的に確認します。今回はPubMedを使って,キーワード“glidescope”で検索した結果,350文献がヒットしました。玉石混淆です。検索フィルターを,“Humans”“Randomized Controlled Trial”“Comparative Study”“Clinical Trial”“Review”とかけて122文献に絞りました。本来は,“Humans”“Randomized Controlled Trial”でフィルターをかければ1回で済むかもしれませんが,利用できる文献の取りこぼしを防ぐために,検索範囲を広げました。“手術患者の経口挿管において,グライドスコープはマッキントッシュ喉頭鏡より気管挿管の成功率が高い”という仮説に回答する文献を抽出するために,これに合わない条件を除外基準にしました。タイトルを見て101文献,さらにアブストラクトと本文を読んで12文献を捨てて,9文献が残りました。2.5文献を選抜する(適格基準/除外基準)

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