lymphedema
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2 LVAの適応(2)検査所見原のこだわり圧迫療法を適切に行っていて,エコー検査で皮下組織のリンパ液貯留を認めなくても,脂肪沈着のために周径の左右差が残ることがあります。このような場合に「太さの左右差をなくしたい」という目的で患者さんがLVAを希望されることがありますが,リンパ液貯留はないため,LVAを行ってもこれ以上細くはなりません。また,圧迫療法やリンパドレナージを一生懸命行っても,残念ながら細くはなりません。むしろ脂肪吸引の良い適応だと考えられます。皮下組織にリンパ液の貯留を認める場合は,圧迫療法が不十分な可能性があるので,圧迫療法の見直しを行う(図13)。圧迫療法を十分行っているにもかかわらず皮下組織にリンパ液が貯留している場合は,LVAの適応と考える。多くの場合,リンパ管は拡張しており,LVAを行うことでリンパ液の逃げ道を作る。皮下組織にリンパ液の貯留がない場合は,症状とリンパ管所見に応じてLVAの適応を考える(図14)。早期のリンパ浮腫でリンパ管が拡張している場合は,その部位に痛みや違和感をもつことが多く,LVAの適応と考える。その他にも,圧迫療法を適切に行っていて浮腫はほとんどないのに蜂窩織炎を繰り返す場合は,リンパ管内にリンパ液が貯留して拡張していることが多く,LVAの適応である。リンパシンチグラフィやICG検査で皮膚逆流所見がなく,エコー検査で皮下組織にリンパ液の貯留がなく,さらにリンパ管拡張もない場合は,リンパ浮腫ではない可能性が高い。少なくとも,リンパ管拡張がないということはバイパスを介して排出すべきリンパ液貯留はないということであり,積極的なLVAの適応ではないと考える。リンパ管リンパ管図13 皮下組織にリンパ液貯留ありリンパ管リンパ管図14 皮下組織にリンパ液貯留なし205静脈静脈3 エコー検査

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