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○△△△――○△○△――○○―○○△△△―○○○○○○○○○○○△○○1全身状態の系統的診察2術前評価の実際equivalents)(表2)で全身状態を評価する。栄養状態、意識状態や神経機能、出血傾向、感冒様症状(発熱、咳、痰)、アレルギー、常用薬や嗜好品(酒、タバコ、サプリメント)などについて聴取する。身体診察では、気道評価、輸液ルート確保や神経ブロックに関する診察を行うが、特に気道評価は漏れなく行う。検査(画像、検体、生理機能)所見は、問診での既往歴、合併疾患と対応させながらチェックする。高齢者などでは、電話をする能力、買い物、食事の準備、家事、洗濯、移動の形式、服薬管理、金銭管理の項目からなるIADL(手段的日常生活動作)尺度2)なども問診に加えるのもよい。 すべての患者で必ず評価する項目と既往疾患がある場合に追加する評価項目がある。全患者に必ず行うべき評価は、系統的な身体診察と気道評価(麻酔導入時の気道困難予測)である。a.問診・身体診察 問診と視診、触診、聴診により全身状態を評価する。 ①心肺機能の評価(運動能力の問診)  METsで現在の活動状況をおおまかに評価する。必要なら、心音・呼吸音の聴診を追加する。 ②栄養状態(食事摂取量、腕や皮膚、筋肉の状態、肥満と痩せ※1) ③聴力や視力障害 ④意識状態や精神状態(意思疎通や不安があるか) ⑤出血傾向(あざや紫斑) ⑥手背や前腕に静脈確保が可能かどうか ⑦アレンテスト※2(橈骨動脈から観血的動脈圧ルート確保症例)第1章 術前管理末梢血検査電解質検査肝機能検査腎機能検査心電図呼吸機能検査胸部X線尿検査血液ガス分析○は必須,△は場合により必要であるが原則的には不要,―は必要ないと考えられる検査(弓削孟文.術前準備.ビジュアル臨床麻酔入門.東京:南山堂;2001.p.4—7より転載)運動別の消費エネルギーが安静時の何倍かを示す.消費エネルギー(kcal)=1.05×体重(kg)×METs数×運動時間(hr)3 METs:普通歩行(4 km/hr),軽い筋トレ,バレーボール4 METs:速歩(6 km/hr),ゴルフ,自転車,ボーリング,階段2階まで楽に昇る6 METs:軽いジョギング,エアロビクス,階段昇降8 METs:ランニング,水泳,重い荷物を運ぶ良好:7 METs超,中等度:4~7 METs,低下:4 METs未満4 METs以上あれば手術は耐えられると判断できる.表1 手術と必要な検査(広島大学医学部附属病院麻酔科蘇生科の基準)表2 METs5成人予定手術成人緊急手術乳幼児予定手術(新生児も含む)乳幼児緊急手術(新生児も含む)○または△

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