PBLDで学ぶ痛み治療
9/10

危険な頭痛の可能性危険な頭痛ではないPoint  緊急性の高い頭痛の発症を見逃さないようにしよう!伝えたい図1 危険な頭痛の簡易診断アルゴリズム 慢性頭痛の経過中にも、他の頭痛を併発することは起こりうる。そのため、常に頭痛の性状の変化には注意をはらっておく必要があり、緊急性の高い頭痛を疑う場合は迅速な検査・診断が必要である。危険な頭痛の簡易診断アルゴリズムが提唱されている7)ので、診断の参考にしていただきたい(図1)。 本症例では、第一にくも膜下出血を疑い、ただちに検査を行うべき状況である。「今まで経験したことがない突然の激しい頭痛」は、くも膜下出血を疑わせるキーワードである。また、微小な出血の場合は悪心・嘔吐、眩暈、せん妄、動眼神経麻痺、視力障害を伴うこともある。くも膜下出血が疑われた際は、迅速・的確な診断と専門医による治療が必要である8)。発症早期の画像診断では、CTが有用であり、発症12時間以内の診断率は98~100%といわれている。脳MRIのFLAIR法による検査も有用であるが、撮影に時間を要することもあり、CTを備えている施設であれば、CT検査が優先される。CT、MRI検査でも診断が確定しないがくも膜下出血を疑う場合は、腰椎穿刺による髄液の観察(キサントクロミーの有無)を行う。8.頭痛の鑑別と対応089いいえいいえいいえいいえいいえ緊急性の高い頭痛の発見に有用である.〔日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会訳.アルゴリズムをどう使用するか.国際頭痛分類(第3版beta版).東京:医学書院;2014.p.23—8より引用〕小児または高齢の発症?発症が6ケ月未満?超特急性発症?非典型的症状,今までにない症状,局所神経所見があるのか?以下の症状・所見があるか?発疹,神経脱落症状,嘔吐,痛みまたは圧痛,事故または頭痛外傷,感染,高血圧はいはいはいはいはい一言

元のページ  ../index.html#9

このブックを見る