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(オッズ比0.88,95%信頼区間0.79─0.99,P=0.04).再入院率や合併症発症に対しては有意差を認めなかった.患者,医師,病院の特性による解析において,外科医の性別はアウトカムに有意差を認めなかった.緊急手術を受けた患者や外科医を選ばない患者において,外科医の性別によるアウトカムに有意差を認めなかった. ●参考文献 1) Tsugawa Y, et al. Comparison of hospital mortality and readmission rates for medicare pa-女性外科医によって治療された患者において,30日死亡率や入院期間が男性外科医によって治療した群と比較して,わずかではあるが,有意に減少した.今後さらに,メカニズムやプロセスなどの調査が必要である.日本では女性外科医の活躍の場が少ない,というより育成環境すら整っていない.これは外科系医師にかぎったことではなく,すべての労働者に共通する日本の問題である.女性は結婚,出産,育児とキャリアを一時的にストップせざるをえない状況に直面しやすく,麻酔科専門医資格を取得した医師でも,その維持を苦慮している.男性医師の育児休暇取得の動きもあるが,まだ非常に少数である.優秀な人材が30代を過ぎるころには半分になってしまう,これは手術室運営の観点からも大問題であり,非常にもったいない.この研究では,女性外科医によって治療された患者が男性外科医により治療された患者と比較して,30日死亡率や入院期間がわずかではあるが有意に減少したという結果であった.なぜ……とまず疑問に思うのは自分が男性であるからであろうか? 著者らも,今回の結果のメカニズムの詳細は不明であるが,女性外科医はガイドライをより遵守する,患者中心な考え方,優秀なコミュニケーション能力を持つことに理由があるのではないかと考察している.ほかの報告では,女性一般内科医によって治療されたほうが,男性一般内科医に治療されるより30日死亡率や再入院が低かった1)という研究結果もあり,女性医師の堅実さ,誠実さ,緻密さを再確認させられる.2019年の世界経済フォーラム(World Economic Forum : WEF)より示された男女格差指数(Gen-der Gap Index : GGI)では,日本は114位(144カ国中)と驚愕の順位であった.手術室運営の観点から,日本経済の観点からも,ますます人口減少の続く日本社会において,貴重で優秀な女性戦士たちの活躍できる環境作りが急務である.225 ■結語tients treated by male vs female physicians. JAMA Intern Med 2017 ; 359 : 206─13.Comments

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