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小児麻酔 論文③ 126小林 康磨/釜田 峰都Impact of high concentrations of sevoflurane on laryngeal reflex responses.Erb TO, et al. Paediatr Anaesth 2017 ; 27 : 282─9. ■背景 ■方法 ■結果喉頭痙攣などの過度の防御的上気道反射が小児に生じると,容易に低酸素血症を引き起こす.喉頭反射が浅麻酔下で高頻度に出現することは日々の臨床から実感できることであり,過去の研究もそれを示唆している.しかし,小児におけるセボフルラン麻酔下での明らかなエビデンスはない.本研究では自発呼吸下の小児において,喉頭あるいは呼吸反射 に対する高濃度セボフルランの抑制効果〔1MAC(minimum alveolar concentration : 最小肺胞濃度) vs MAC ED95intubation〕が検証されている.予定手術を受けた40名の小児(3─7歳)を対象とした.心疾患,頭蓋内疾患,神経筋疾患を合併した患者,2週間以内の上気道感染の既往のある患者,喘息治療を受けている患者,悪性高熱の家族歴を持つ患者は除外された.全症例で,前投薬としてミダゾラム0.3 mg/kgが経口または経腸投与された.亜酸化窒素併用下にセボフルランによる吸入導入を行い,静脈路が確保されたのちに純酸素に切り替えた.その後,ラリンジアルマスク(laryngeal mask airway : LMA)を挿入した.挿入前に静脈麻酔薬は投与しなかった.LMA挿入後に目標とする呼気終末セボフルラン濃度に到達させ,必要時にはプレッシャーサポートを行った.すべての症例で呼気セボフルラン濃度を2.5%(1MAC)と4.7%(MAC ED95intubation)のそれぞれの状態(順番は無作為に割り付けた)で喉頭を刺激した.刺激は気管支鏡から硬膜外カテーテルを用いて声門に0.25 mlの蒸留水を噴霧し,噴霧前1分から噴霧後3分まで声門の様子と呼吸状態を記録した.セボフルラン濃度に関しては,盲検化されている評価者が,オフラインで喉頭反射を評価した.研究に必要な自発呼吸が得られなかった2症例を除く38症例が対象となった.セボ高濃度セボフルラン使用下でも,声門上デバイスの抜去時に喉頭痙攣が発生する可能性がある11

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