雑誌『麻酔』の査読方式をdouble-blindからsingle-blindへ変更します

 弊誌『麻酔』では、2019年より、double-blind方式による査読を行ってまいりました。これは、MEDLINE(通称、PubMed)より弊誌の査読がblindになっていないとの指摘を受けたことによるものでした。double-blind方式は、著者・査読者の双方がお互いを知ることができないため、所属や人種などによる不当な評価を避ける効用があると期待されているものです。
 しかしながら、その後にも弊誌編集委員会で検討を重ねた結果、以下の理由によりsingle-blind方式による査読が適切であろうとの結論に至りました。この決定により、2021年6月より査読方式を変更いたします(注1)。
・double-blind方式に適う原稿とするため、著者の氏名や所属を削除または伏字とする作業が必要となるが、この作業には相当な慎重さが求められるために著者ならびに出版社にとってきわめて大きな労力となっている。
・上記の労力にもかかわらず、論文のテーマや文体などから、査読者は容易に著者を推測することができてしまう。
・査読者は、著者の情報を正確に知ることによって、投稿論文を評価するのに必要な多くの情報(UMIN登録など)を得ることができる。

 国際的な出版動向を鑑みても、同様の理由からsingle-blind方式に移行する学術誌が多くあります。また、よりオープンな査読方式(査読時からウェブに公開し、広くコメントを募集するなど)も模索されています。
 近年、査読の効用や方式に関しては多くの報告がなされており、流動的な状況にあります。弊誌では引き続き出版動向を注視するとともに、よりよい誌面作りに努めてまいります。

注1:移行より以前にご投稿された論文につきましては、投稿時点での投稿規定に従いdouble-blind方式による査読を行わせていただきます。

2021年5月末日
『麻酔』編集委員会
克誠堂出版『麻酔』編集部