いますぐ知りたい小児の循環管理

編集 橘 一也 竹下 淳
ISBN 978-4-7719-0619-8
発行年 2025年
判型 B5
ページ数 344ページ
本体価格 7,900円(税抜き)
電子版 あり


「いますぐ知りたい」シリーズの第2弾。呼吸と循環は相互に影響を及ぼし合い、片方の機能不全がもう一方の機能に直接的な影響を与えるため、臨床現場では両者を統合的に把握しながら診療にあたる必要がある。呼吸・循環管理の知識と技術を身につけることは、質の高い全身管理を実現するうえで不可欠である。第1弾の気道・呼吸管理と同様、項目は細かく分け、実臨床で遭遇しやすいテーマを可能な限り多く取り入れている。

「いますぐ知りたい」シリーズの第2弾。重要なポイントがすぐに把握できるよう簡潔に整理し、実践的かつ読みやすい構成としています。

■総論
第 1 章 解剖学・生理学 1
1. 心臓の発生学 黒嵜 健一 3
2. 胎児循環 黒嵜 健一 8
3. 出生前後の肺血管抵抗変化 黒嵜 健一 12
4. 心室圧―容積関係 伊藤 由作 15
5. 組織酸素需給バランス 島谷 竜俊 21
6. 静脈還流と心拍出量 権守 延寿・竹内 宗之 23
7. 呼吸循環相互作用 竹内 宗之・伊東 幸恵 27

第 2 章 薬理・薬剤 33
1. 小児と薬物代謝 濱場 啓史 35
2. 吸入麻酔薬 橘 一也 39
3. 静脈麻酔薬 濱場 啓史 41
4. 循環作動薬 竹下 淳 44
5. 抗凝固薬 前田 琢磨 48
6. 止血・凝固薬 前田 琢磨 51
7. ヘパリン起因性血小板減少症 前田 琢磨 53
8. 術前に内服している薬物 阪上 愛 56
9. 利尿薬 馬場 皆人 59
10. 抗不整脈薬 青木 寿明 62
11. 肺高血圧治療薬 浅田 大 67
12. 周術期抗菌薬・SSI 谷口 公啓・野崎 昌俊 71
13. 周術期ステロイド 西田 圭佑 73

第 3 章 検査・モニター 77
1. 心電図 西村 俊輝 79
2. 心エコー検査 石井陽一郎 82
3. 心臓カテーテル検査 石井陽一郎 86
4. 動脈圧,中心静脈圧 清水 義之 90
5. 心拍出量測定 権守 延寿・川村 篤 93
6. 心臓血管 CT 浅田 大 97
7. 心臓 MRI 青木 寿明 101
8. 止血・凝固 渡邉 文雄 105
9. 血流解析 秋山 浩一 108
10. 心筋シンチグラム 石井陽一郎 112
11. 肺エコ- 稲田 雄 115
12. 近赤外線分光法 松浦 秀記 118
13. 麻酔深度モニター 西村 俊輝 121
14. 循環の評価 藤﨑 拓也・川村 篤 124
15. ショックの分類・管理 伊東 幸恵 129

第 4 章 補助循環 135
1. ペースメーカ 青木 寿明 137
2. ECMO 制野 勇介 140
3. 補助人工心臓 西田 圭佑・竹内 宗之 145

第 5 章 術前管理 153
1. 術前診察・前投薬・絶飲食 山本由美子 155
2. 肺血流増加・減少 釜田 峰都 157

第 6 章 術中管理 161
1. 輸液管理 山本由美子 163
2. 麻酔導入・維持 橘 一也 165
3. 経食道心エコー(TEE) 竹下 淳 168
4. 超音波ガイド下血管穿刺 竹下 淳 171
5. 輸血 増江 達彦・福田 光希 174
6. 脳保護・脊椎保護 内藤 祐介 177
7. 神経ブロック 山本 知裕 179
8. 人工心肺 増江 達彦・横山 翼 183
9. 人工心肺離脱時 占部 大地 186
10. 一酸化窒素吸入療法 戸田雄一郎 188

第 7 章 術後管理 193
1. 抗血栓療法 西田 圭佑 195
2. 人工呼吸 京極 都 198
3. 呼吸補助 京極 都 208
4. 鎮痛・鎮静 西垣 厚 213
5. 血液透析・腹膜透析 制野 勇介 216
6. 腸管栄養 高カロリー輸液 清水 義之 219
7. 開胸状態・二次的胸骨閉鎖 青木 一憲 222

第 8 章 術後合併症 225
1. 低心拍出量症候群(LCOS) 西垣 厚 227
2. 横隔神経麻痺 稲田 雄 229
3. 不整脈 青木 寿明 234
4. 縦隔炎 津村 早苗 237

■各論
第 1 章 先天性心疾患:非開心術 241
1. 動脈感化依存症(PDA) 西村 俊輝 243
2. 大動脈縮窄・離断 占部 大地 246
3. 血管輪 川村 篤 249
4. カテーテル治療 松尾久実代 252
5. アブレーション 森 雅啓 255

第 2 章 先天性心疾患:開心術 259
1. 大血管転位 泉 薫 261
2. 総肺静脈還流異常症(TAPVC) 泉 薫 264
3. 総動脈幹症(PTA) 清水 達彦 267
4. ファロー四徴症 木村 聡 271
5. 両大血管右室起始症(DORV) 木村 聡 275
6. 単心室 金澤 伴幸 279
7. 心房中隔欠損症(ASD)・心室中隔欠損症(VSD)
山本由美子 283
8. 房室中核欠損症(AVSD) 清水 達彦 287
9. エブスタイン奇形 金澤 伴幸 291
10. 大動脈弁狭窄症(AS) 金澤 伴幸 294
11. 左心低形成症候群(HLHS) 金澤 伴幸 296
12. 体肺動脈シャント手術 木村 聡 299
13. 肺動脈絞扼手術 木村 聡 303
14. Glenn 藤原 孝志 307
15. Fontan 藤原 孝志 310
16. 心臓移植 月永 晶人・西田 圭佑 313

第 3 章 その他 319
1. 心筋炎・心筋症 浅田 大 321

索引 328

まずは本書『いますぐ知りたい小児の循環管理』を手に取っていただき,心より御礼申し上げます。
本書は,「いますぐ知りたい」シリーズの第 1 弾として刊行されました『いますぐ知りたい小児の気道・呼吸管理』に続く,第 2 弾となるテキストです。『いますぐ知りたい小児の気道・呼吸管理』の刊行にあたっては,小児の呼吸管理に精通した第一線の先生方にご執筆いただきました。現場での即応性を重視し,「知りたいときにすぐ調べられ,その場で答えが見つかる」という実用性を追求した構成と内容で,2023 年に刊行され,多くの読者の皆様にご支持をいただきました。
『いますぐ知りたい小児の気道・呼吸管理』の刊行後間もなく,同シリーズの第 2 弾として『いますぐ知りたい小児の循環管理』の企画をご提案いただき,今回の刊行に至りました。呼吸管理と循環管理は,周術期における全身管理の根幹であり,安定した呼吸・循環動態なくして良好な予後は期待できません。さらに,呼吸と循環は相互に影響を及ぼし合い,片方の機能不全がもう一方の機能に直接的な影響を与えるため,臨床現場では両者を統合的に把握しながら診療にあたる必要があります。特に先天性心疾患の周術期管理においては,呼吸循環の相互作用の理解が,全身管理を行ううえで極めて重要な因子となります。こうした重要性を克誠堂出版株式会社様にご理解いただき,「いますぐ知りたい」シリーズとして呼吸と循環の両方のテキストを刊行させていただく機会を与えていただきましたことに,心から感謝申し上げます。
小児の周術期管理においては,対象となる患者の年齢がさまざまであり,年齢に伴う生理学的,解剖学的な相違を理解しておく必要があります。また同じ疾患名であっても病態の個体差が大きく,呼吸と循環の評価を適切に行ったうえで的確な介入が行えることは,全身状態の安定化に直結する極めて重要な要素です。そのため,小児医療に関わる麻酔科医や集中治療医をはじめとする多職種にとって,呼吸・循環管理の知識と技術を身につけることは,質の高い全身管理を実現するうえで不可欠です。
本書においても,第 1 弾と同様,小児医療の現場でご活躍されている麻酔科医,集中治療医,循環器内科医の先生方にご執筆いただきました。読者が「いますぐ」知りたい情報にすばやくアクセスできるよう,項目は細かく分け,実臨床で遭遇しやすいテーマを可能な限り多く取り入れました。各項目は,重要なポイントがすぐに把握できるよう簡潔に整理し,実践的かつ読みやすい構成としています。多忙な診療の合間にも,手に取ってすぐに確認できる内容を目指しました。
本書が,小児の周術期管理に携わる医師,看護師,臨床工学技士,薬剤師,その他関連職種の皆様にとって,日常診療の一助となり,よりよい医療の提供に役立つことを願ってやみません。
最後になりますが,本シリーズの立ち上げから企画・編集・校正に至るまで,常に温かく丁寧なご指導を賜り,未熟な私たちを根気強く支えてくださいました克誠堂出版株式会社 編集部の手塚雅子様に,心より深く感謝申し上げます。

2025 年 7 月
大阪母子医療センター 麻酔科
橘 一也・竹下 淳