いますぐ知りたい小児の気道・呼吸管理


編集 橘 一也
ISBN 978-4-7719-0582-5
発行年 2023年
判型 B5
ページ数 248ページ
本体価格 6,300円(税抜き)
電子版 あり
医書.jp<電子版>
M2Plus<電子版>

「小児の気道・呼吸管理」について知りたい時、調べたい時にさっと手に取っていただき、まさに「いますぐ」にその回答が得られるような書籍を目指しました。図や表、写真を豊富に取り入れています

第1章呼吸器系特徴 1
1.解剖学的特徴
1) 気道と肺  阿部世紀 3
2) 胸郭・呼吸筋  北村祐司 10
2.生理学的特徴  北村祐司 13
3.胸部X線  西川正則 17
4.胸部CT  西川正則 21
5.聴診所見  錦戸知喜 25
6.早産児の呼吸器系の特徴  平田克弥 29
第2章気道確保 33
1.麻酔器・麻酔回路  德永友里・香川哲郎 35
2.マスク換気・経口エアウェイ・経鼻エアウェイ  阪上 愛 39
3.喉頭鏡・気管チューブ  濱場啓史 42
4.経口挿管  濱場啓史 45
5.経鼻挿管  濱場啓史 48
6.絶飲食とフルストマック  阪上 愛 51
7.気道評価  林 大貴・香川哲郎 54
8.症候群と挿管困難  鶴房里彩・香川哲郎 58
9.困難気道への対応  中井愛理・香川哲郎 62
10.声門上器具  占部大地 67
11.ビデオ喉頭鏡  西村俊輝 70
12.ファイバー挿管  橘 一也 73
13.自発呼吸温存気管挿管  山下智範 76
14.片肺換気  橘 一也 80
第3章モニター 83
1.パルスオキシメーター  中村さやか 85
2.カプノグラフ・カプノグラム  中村さやか 87
3.呼吸器グラフィックモニター  山田浩平・竹内宗之 89
4.気管支ファイバー  錦戸知喜 94
5.気道・肺超音波検査  稲田 雄 97
6.血液ガス  和田愛子 101
7.筋弛緩モニター  虻川有香子 105
第4章管理 109
1.麻酔導入薬  川津佑太・宮津光範 111
2.手術中の人工呼吸器設定  山内佑允・宮津光範 116
3.静脈麻酔時の気道管理・観察  中村さやか 120
4.早期産児の術中気道・呼吸管理  西垣 厚 123
5.ウイルス感染  松本 昇・錦戸知喜 126
6.気道感染と麻酔リスク  阪上 愛 129
7.人工呼吸中の鎮痛・鎮静  山下智範 131
8.人工呼吸中の筋弛緩薬  山下智範 135
9.酸素療法  板垣大雅 138
10.人工呼吸中の加温加湿  大藤 純 142
11.HFNC  板垣大雅 149
12.NPPV  上野義豊・大藤 純 153
13.HFOV  宮下一恵・竹内宗之 159
14.手術室での抜管  竹下 淳 164
15.ICU 患児の抜管  川村 篤 167
16.気道浮腫対策  川村 篤 171
17.気管切開患児の管理  奥村純平・竹内宗之 174
第5章その他 179
1.閉塞性睡眠時無呼吸  原 貴子・北村祐司 181
2.気道異物  小原崇一郎 185
3.前縦隔腫瘍  内藤 祐介 190
4.喉頭・気管・気管支軟化症  松本 昇・錦戸知喜 195
5.クループ症候群  渡邉 文雄 199
6.先天性気管狭窄  藤原孝志・香川哲郎 203
7.気管支喘息  錦戸知喜 207
8.小児ARDS  井坂華奈子・竹内宗之 211
9.先天性横隔膜ヘルニア  川村 篤 217
10.横隔神経麻痺  水口壮一 221
11.呼吸と肺血管抵抗  戸田雄一郎 226
12.呼吸循環相互作用  山下智範 230
索引 235

「小児の気道・呼吸管理」を取り上げた教科書はすでに多く出版されていると思います。これらの教科書は新しい情報を習得したり,知識の整理をするために大いに役立ち,私自身現在も活用しています。一方で,現在手元にある教科書は,じっくりと腰を据えて熟読する座学に適した教科書が多いのではないでしょうか。
本書は,知りたい時,調べたい時にさっと手に取っていただき,まさに「いますぐ」にその回答が得られるようなテキストを目指しました。図や表,写真が豊富に取り入れられた,いわば料理のレシピ本のようなもので,料理をしながら忘れてしまったレシピをさっと見返す,そんなテキストです。臨床での新たな発見や工夫をテキスト内にどんどん記入していただき(まさに自分だけの隠し味をメモするように),自分だけのよりよいレシピ本へと作り上げていただきたいと思います。
今回御執筆いただいた方は,麻酔科医をはじめ,小児呼吸器科医,新生児科医,救急・集中治療科医,放射線科医など多岐にわたります。どの領域も最前線で活躍されている臨床経験豊富な「エキスパート」に御執筆いただきました。
小児の領域においては,以前からその施設で踏襲されてきた方法など,施設や指導者によって実臨床の考え方や手法が異なることが多いと思います。また,新しい医療機器や薬物も次から次へと登場してきます。医療行為に対する新たなエビデンスが明らかになったり,古いエビデンスが否定されたりと時々刻々とわれわれを取り巻く医療は変化していきます。それらに常に敏感でなくてはなりません。変化していく医療技術や新たなエビデンスの情報をどんどん本書に書き加えていただき,実臨床でいつまでも長く使っていただける,「自分のためのテキスト」となりましたら幸いです。
最後に,出版のお声かけをしていただき,未熟な私に終始アドバイスしてくださいました克誠堂出版株式会社編集部の手塚雅子様には大変お世話になりました。心から感謝申し上げます。
2023 年5 月7 日
大阪母子医療センター麻酔科
橘 一也