すっきりフローチャートで学ぶ小児の麻酔

監修 川名 信
ISBN 978-4-7719-0539-9
発行年 2020年
判型 B5
ページ数 80ページ
本体価格 3,000円(税抜き)
電子版 あり

M2Plus<電子版>

小児麻酔を敬遠している先生に少しでも積極的に取り組んでもらえるよう企画された入門書。基本的な疾患や病態を取り上げエキスパートの思考過程を簡便なフローチャートに。

Ⅰ.術前診察・麻酔管理
1.術前診察 川名 信 2
2.小児の気道確保 名和由布子 4
3.全身麻酔薬 菊地千歌 6
4.術中鎮痛薬 菊地千歌 8
5.小児の周術期輸液管理 小原崇一郎 10
6.上気道感染症と喘息 篠﨑友哉 12
7.麻酔からの覚醒と抜管・術後のモニタリング 北村祐司 14
8.ICUでの鎮静・搬送のケア 小泉 沢 16
9.術後鎮痛 一柳彰吾、宮津光範 18

Ⅱ.合併症・緊急時の対応
1.覚醒時興奮 金谷明浩 22
2.喉頭痙攣 高辻小枝子 24
3.アレルギー・アナフィラキシー 野中崇広 26
4.気道確保困難な症例・挿管困難 坂倉庸介 28
5.ショックと心肺蘇生の対応 其田健司 30
6.悪性高熱症 志賀 卓弥 32
7.局所麻酔薬・局所麻酔薬中毒 佐古澄子、笹川智貴 34

Ⅲ.さまざまな疾患の麻酔
1.低出生体重児の麻酔 蜂屋好子、中村信人 38
2.口唇口蓋裂の麻酔 松本友里、鹿原史寿子 40
3.耳鼻咽喉科の麻酔 坂口雄一、北村祐司 42
4.肥厚性幽門狭窄の麻酔 青木真理子 44
5.腹部手術の麻酔 五十嵐あゆ子 46
6.PDA・VSD・ASDの麻酔 畠山陽介 48
7.四肢の手術の麻酔 川村大資、笹川智貴 50
8.泌尿器科の麻酔 茶木友浩 52
9.誤飲、気道・消化管異物の麻酔 伊藤真由美、横山 健 54
10.脳外科疾患の麻酔 鹿原史寿子 56
11.重症心身障害児の麻酔 岡田真行 58
12.発達障害・自閉症の小児の麻酔 北村佳奈、宮津光範 60
13.眼科の麻酔 海法 悠 62
14.検査・処置の麻酔、鎮静 堀木としみ 64
15.日帰り麻酔 黒嵜明子 66
16.先天性心疾患の非心臓手術の麻酔 金澤伴幸 68

索引 71

 

序文
小児麻酔を一度は研修してみたいと思っても、実際には「あんな小さい子どもの麻酔はちょっと敬遠」という先生も多いのではないでしょうか。しかし小児麻酔は基本を押さえると実は楽しく学べるものです。本書はそんな小児麻酔を敬遠気味の研修医や麻酔科専門医の先生に少しでも積極的に小児麻酔に取り組んでいただきたいと思い、その入門書として企画されたものです。基本的な疾患や病態を取り上げ、小児麻酔の経験が豊富であれば患児を前にして即座に頭に浮かぶであろう思考過程をできる限り簡便なフローチャートとして表しました。見開きの左側にフローチャート、右側にその解説を載せています。まずはフローチャートを見て診察や治療にいたる思考の道筋を確認し、その内容を解説で補強してください。また解説の中には重要なエビデンスに関する事項を記載した“Facts”、さらに執筆者の経験に基づく助言や考え方を述べた“Clinical tips”があるのでぜひ参考にしていただきたいと思います。参考文献も本当に必要なものを厳選して収載しました。
小児麻酔の臨床研究は成人と異なり絶対的な患者数が少ない、保護者の同意が得られにくい、症例ごとのバリエーションが多いなどの理由で少ないことが知られています。また小児といっても新生児と思春期の若者では解剖学的、生理学的、薬理学的にもまったくといっていいほど違います。したがって成人のような麻酔に関する大規模ランダム化比較試験に基づくガイドラインはほとんどありません。そのためエキスパートオピニオンは重要な指針となっています。
本書は小児麻酔の知識と経験に富んだ先生に執筆を担当していただきました。本書を手に取り、ページをめくって眺めた時になるほどと感じて明日の症例で実践していただければ幸いです。今回取り上げた内容は日常診療で遭遇する基本的な疾患のフローに限定しましたので、そこから発生するバリエーションには触れていません。そこで本書を手に取って小児麻酔に少しでも興味を持たれた先生はさらに専門性の高い書籍に進んでいただくことが執筆者の共通した願いであることをお伝えして序文に代えさせていただきます。
最後に小児麻酔の門戸を広げる素晴らしい書籍を企画していただいた克誠堂の手塚雅子氏に執筆者を代表して深く感謝申し上げます。
2020年12月吉日
宮城県立こども病院副院長
川名信