さぁ、レーザー治療をはじめよう!
動画で見る

著者 河野太郎
ISBN 978-4-7719-0513-9
発行年 2019年
判型 B5
ページ数 156ページ
本体価格 10,000円(税抜き)
電子版 あり


【 巻頭 】医療承認レーザー機器
美容目的に使用されるレーザー機器
How to use

第1章 共通する基本的な手技
1 術前診察
2 局所麻酔
1.塗布麻酔・貼付麻酔
2.顔面のブロック麻酔
3 患者さんの安全のために、術者の安全のために
1.レーザー室をセッティングする
2.眼球の保護
3.からだの固定~じっとできない、幼小児の場合
4 レーザーはこう当てる! 基本手技
1.準備
2.出力の判断
3.照射
5 術後管理
1.母斑・血管腫の術後管理
2.美容目的の術後管理

第2章 保険収載されている疾患に対する治療
■レーザーの生体作用とは
色素レーザーで治療する疾患
■色素レーザーとは
1 毛細血管奇形(単純性血管腫)
2 毛細血管拡張症
3 乳児血管腫(莓状血管腫)
Qスイッチレーザーで治療する疾患
■Qスイッチレーザーとは
4 太田母斑
5 異所性蒙古斑
6 外傷性刺青
7 カフェ・オ・レ斑(扁平母斑)

第3章 美容その他を目的とした、保険適用外のレーザー治療
■治療の種類と生体作用
1 非剥皮的フラクショナルレーザー治療
2 剥皮的フラクショナルリサーフェシング治療
3 フラクショナル高周波治療
4 ロングパルスレーザー治療

第4章 最近のTOPICS:ピコ秒レーザー
■ピコ秒発振レーザー

COLUMN
●日焼け止めとお化粧とレーザー治療
●血管病変のレーザー治療
●年齢や生活の段階に応じた治療を、長期的に行っていきましょう
●乳児血管腫治療 ~他の疾患と異なる問題点
●Q スイッチ ~名前の由来としくみ
●外傷性刺青は予防できる疾患です
●ミリ秒レーザーで、シミ治療を行う ~歴史的背景と最近の事情
●フラクショナル炭酸ガスレーザー治療 リスクと効果
●高周波治療の結果では、人種差が少ない
●ちょっと詳しく ~フラクショナルレーザー開発の背景
●永久脱毛? 完全脱毛?
●ピコレーザー開発の背景と今後

ちょっとドッキリSTORY
●潰瘍ができた…?
●引火した…!
●シミ治療でキズ?

【 巻末 】日本レーザー医学会 機器一覧
「保険収載されているレーザー治療および薬機法で承認されたレーザー機器一覧2019」

本書を書こうと思ったきっかけは、自身の外来診療とレジデント教育の手助けにならないかと思ったことです。外来では、説明書に手書きで図を描きながら説明していたのですが、あまりに患者さんが多いため、パソコンで治療の流れを作成し、スライドショーで説明するようになりました。ただの文章の説明書よりも、イラストの入ったスライドの方がわかりやすいと多くの患児のご両親から意見を頂きました。疾患によっては、いいお話ができない場合もあります。完治が困難な疾患でも、生涯にわたってこのような治療計画がありますと、できるだけ前向きになるような工夫をいつも考えながら、創意工夫をしながら手を加えていきました。
また、これまで多くの大学病院や国公立病院、個人クリニックでレーザー治療の教育にもあたってきました。学生の講義でもレーザーはありますが、実践はありません。ある程度レーザーをやってきた先生向けの教科書は多くあるのですが、経験の少ない先生やはじめてレーザーに触れる先生のための本はほとんどなく、その都度、一から説明していく必要がありました。また、レーザー機器は日々進化していくため、一度習えばそれでおわりというものでもありません。レーザーを学ぶためには、定期的に改訂される初学者から中級者の先生向けの本が必要だと思い、本書を纏めようと考えました。手術と同様、見ないとわからないところもあります。治療の実際の動画と機器の取り扱いの動画を入れてあります。
レーザー治療のカバーする疾患領域は意外と広いため、本を作る際は共同執筆となる場合がほとんどです。しかし本書は、単著執筆としました。項目は分かれていますが、できるだけ統一性をもった構成とし、わかりやすく説明するように心がけました。
レーザー治療が読者の基本手技のひとつとなるように、レーザー医療安全と標準的治療を習得していただければ幸いです。
2019 年1 月
河野 太郎

評者:宮田 成章(みやた形成外科・皮ふクリニック)

もっと昔からあれば…

 私が本格的にレーザー機器を使って治療を始めたのは,20数年前,地方の公立病院に1人医長として赴任した時であった。それ以前,大学では上司が治療する際のお手伝いくらいで,漠然と使っていた程度だったので,上司がいないと何もわからない,そんな自分がいきなり最新式のレーザーを使って診療をしなくてはいけなくなった。
 当時,引き継ぎで電源スイッチの入れ方くらいは教わったものの,どのように使うべきなのか,呆然とした記憶がある。メーカーのマニュアルや論文を調べて出力設定などは何となくわかったが,ではハンドピースはどのように動かすのか,治療のエンドポイントは何をもって判断するのか,実践的なことはさっぱりわからない。レーザーの書籍を開くと難しい数式・理論が並ぶ物理の教科書のようなものばかり。仕事が終わって医局で読み始めると,だいたい2~3ページで意識が遠のいてしまい,臨床医としてまったく興味を引かれないものであった。困った時に読みたいので,理論はともかく,本当に欲しい情報とは,まず「How to use?」なのである(もちろん理論も大事です)。
 河野太郎先生の執筆された本書を開いて,まず思ったのは,当時初心者であった自分自身が困ってしまった前述のことがすべて網羅されているということである。
 目の前にレーザー機器がある時に,どうやって設定するのか,そこから始まっている。安全対策はもちろんのこと,驚くべきことにスポットサイズの変更やレンズ面の汚れの取り方,冷却水の交換方法まで,懇切丁寧に動画付きで解説されている。そして治療方針の立て方・アルゴリズム,治療手技や照射後ケアの方法など臨床面も手厚く記載されている。今までの書籍はレーザーを使いながら疑問を解決することはできても,まったく触ったことがない医師にとっては「マニュアル」として使えるものではなかった。この書籍は若い先生にとって,まず最初に手に取る教科書となるであろう。
 「日々進化していくレーザー治療への対策として,定期的に改訂される予定」とのこと,河野太郎先生は非常に真面目なドクターであられるので,きっと本気でそう考えており,実践されるのであろう。大変な労力であるが,この領域のドクターすべてが治療を基礎から学び,当たり前のことを当たり前に実践できることこそがレーザー医療の発展には重要であると考えるので,心から応援したい。
 さぁ,レーザー治療を始めよう,そう思った時にまずは手にするべき書籍である。