周術期管理の謎22

周術期管理の謎22

編集 森本康裕
ISBN 978-4-7719-0446-0
発行年 2015年
判型 A5
ページ数 216ページ
本体価格 5,500円(税抜き)
電子版 あり
医書.jp<電子版>

周術期管理における なぜ?
どうしたらいいの? にお答えします

周術期管理には謎が一杯である。周術期管理で最も重要な全身麻酔薬についてはその作用機序は完全には解明されていない。作用機序が分からないままこれまでの使用経験に基づいて使用しているのが現状である。一方で、麻酔薬の薬物動態については多くのことが分かっている。したがって可能なかぎり理論に基づいた薬物投与がなされるべきである。現在の周術期管理においては、このようにまだ分からないことと分かっていることの区別が必ずしも明確でないというのが実感である。
本書は日常臨床における素朴な疑問に対して、理論あるいはエビデンスを示して説明を試みることを目的とした。自分の興味のある話題から読み始めて、日々の臨床の中で意外に知らなかった事実を発見することで、周術期管理学の深みを実感してもらえればと思っている。 (序文より抜粋)

1 術前経口補水のメリットは何か?(桜井康良)
2 手術当日のACE阻害薬、ARBは中止すべきか?(島本葉子)
3 気管挿管ではビデオ喉頭鏡を第一選択とすべきか?(鈴木昭広)
4 全身麻酔時になぜ声門上器具を使用するのか?(上嶋浩順)
5 中心静脈穿刺はなぜ超音波ガイド下に行わないといけないのか?(下出典子)
6 術中の予防的抗菌薬投与はなぜ3時間おきなのか?(山本俊介)
7 ステロイドカバーは本当に必要なのか?(小野寺美子)
8 手術中の低体温はなぜ避けなければいけないのか?(山崎広之・田中克明)
9 レミフェンタニルの1μg/kg/min以上の投与に意味はあるのか?(増井健一)
10 後発品のセボフルランは先発品と同じなのか?(森本康裕)
11 薬物動態パラメータって何?(木山秀哉)
12 開腹手術での輸液はボルベンを積極的に使用すべきか?(渕辺 誠)
13 フロートラックは周術期の循環管理に本当に有用か?(讃岐美智義)
14 スガマデクス時代に筋弛緩モニターはルーチンで使用すべきか?(笹川智貴)
15 BISモニターはルーチンで使用すべきか?(萩平 哲)
16 肥満者では吸入麻酔薬からの覚醒は遅れるか?(坪川恒久)
17 全身麻酔下に神経ブロックを実施してもよいのか?(中本達夫)
18 局所麻酔薬中毒に脂肪乳剤はなぜ効くのか?(宮﨑直樹)
19 癌手術と区域麻酔(柴田康之)
20 TKAの術後鎮痛:もはや大腿神経ブロックさえも時代遅れなのか?(酒井規広)
21 帝王切開術後鎮痛は何がベストなのか?(田辺瀬良美)
22 手術室外での安全な鎮静管理はどのように行うべきか?(駒澤伸泰)