PCA患者自己調節鎮痛法

PCA患者自己調節鎮痛法

監修 山蔭道明
編集 山内正憲
ISBN 978-4-7719-0381-4
発行年 2011年
判型 B5
ページ数 310ページ
本体価格 8,800円(税抜き)
電子版 なし


患者さんの術後鎮痛をいかに安全に快適に行うことができるか!?

(1)PCAに慣れていなくても安全に行うことができる。
(2)PCAをすでに行っている施設ではPCAの進化や他の施設のコツを知ることができる。
をコンセプトとした『経験豊富な麻酔科医とPCAにかかわる看護師、薬剤師、臨床工学技士などの視点も含めた“新たなPCAの教科書”』。

コストや病院経営、チーム医療(*)の側面にも触れています。

(*)実際の現場では、主に麻酔科医が処方し、患者さんに説明し実践してもらうことになりますが、機器の操作や安全性の向上という点から、臨床工学技士や看護師・薬剤師の理解や関与も欠かせないため、チーム医療がたいへん重要です。

第1章 総 論

1.PCAの概念と優位性(中塚秀輝、前島亨一郎)
はじめに/PCAの概念/PCAの歴史/PCAの設定/PCAの有効性と安全性/PCAの利点と欠点/Point2.PCAにかかわるコスト(橋口さおり)
はじめに/PCAを使用した鎮痛法に対する診療報酬/PCAを使用した場合にかかるコスト/PCAにかかわる収支バランス/費用対効果/Point3.PCA機器(石村博史)
はじめに/電動式ポンプ/ディスポーザブルポンプ/Point

4.PCAの合併症と禁忌(安部真教、垣花 学)
はじめに/麻薬性鎮痛薬に起因する合併症/医療過誤に起因する合併症/PCAの禁忌/Point

第2章 各投与経路の方法とコツ

1.静脈内投与(濱田 宏、安田季道、河本昌志)
はじめに/ivPCAの特徴/PCAポンプの選択/使用薬物/ポンプ設定/副作用/広島大学病院での実際の術後疼痛管理の実際/症例1/症例2/症例3/Point2.硬膜外投与(井上莊一郎)
はじめに/硬膜外鎮痛の適応となる痛み、硬膜外鎮痛の利点・欠点/PCEAの適応―硬膜外鎮痛にPCAを付加することの利点と適応―/硬膜外穿刺を避けるべき状態と、慎重に考慮すべき状態/血液凝固能と硬膜外鎮痛/PCEAにおける投与方法/薬物の選択―局所麻酔薬とオピオイドの選択―/PCEAにおける実際の工夫―PCEA使用患者に対するケアの要点―/まとめ/Point3.末梢神経投与(中本達夫)
はじめに/PCRAの概念/PCRAの実施方法/PCRA実施のコツ/おわりに/Point

4.くも膜下投与(渡辺昭彦)
はじめに/くも膜下に投与してよい薬物/くも膜下投与の施行方法(&コツ)/まとめ/Point

5.その他の部位(藤原祥裕)
はじめに/フェンタニル・イオントフォレーシス経皮吸収システム/皮下投与PCA/経鼻投与PCA/PCAを用いた腹直筋鞘ブロック・腹横筋膜面ブロック・腸骨筋膜下ブロック/創部カテーテル/まとめ/Point

第3章 各種薬物の特徴と使い方

1.麻薬血中濃度の理論と実際(長田 理)
はじめに/薬物動態・薬力学による合理的なivPCAとは/薬物動態学:薬物血中濃度を予測する/薬力学:体内濃度と薬物効果の関係/フェンタニルとモルヒネの薬物動態/実際の症例を解析する/薬物動態シミュレーションの限界/Point2.麻薬感受性の個人差(杉野繁一)
はじめに/オピオイドの薬物動態学(PK)/薬力学(PD)/臨床におけるオピオイド感受性の予測/オピオイド感受性の個人差の遺伝的機序/おわりに/Point3.モルヒネ(堀田訓久)
はじめに/薬理作用/作用発現の特徴と薬物動態/PCAによるモルヒネの使い方/副作用/筆者の施設における運用/Point

4.フェンタニル(新山幸俊)
はじめに/薬理/剤形/効果、効能/投与法/副作用/PCAにおけるフェンタニルの投与法/ivPCAの投与薬物の検討(フェンタニルvsモルヒネ)/おわりに/Point

5.ケタミン(北山眞任、廣田和美)
はじめに/薬理/ケタミンの臨床的特徴/ケタミン研究に関する最新の知見―オピオイドと併用する背景―/ケタミンの使い方/低用量ケタミンの副作用/各施設のコツ/Point

6.NSAIDs、アセトアミノフェン、補助鎮痛薬(橘 信子)
はじめに/非ステロイド性抗炎症薬(nonsteroidal anti-inflammatory drugs : NSAIDs)/アセトアミノフェン/鎮痛補助薬/Point

第4章 さまざまなPCAの実際

1.開胸術後のPCEA(中山禎人)
はじめに/開胸術後の痛みのターゲット/症例提示/薬物選択/設定/注意点/副作用対策/PCEA装置の開胸術後における活用法:応用編/Point2.心・大血管手術後のPCA(清野雄介、尾﨑 眞)
はじめに/症例提示/開心術/大血管手術/集学的アプローチ/Point3.開腹術後のPCEA(早瀬 知)
はじめに/症例提示/薬物選択/注意点/まとめ/Point

4.体幹手術後のPCA(柴田康之)
はじめに/症例提示/ivPCAの方法/経過/解説/まとめ/Point

5.四肢手術後のPCA(白石美治)
はじめに/上肢手術後のPCA/症例提示/下肢手術後のPCA/症例提示/Point

6.小児患者でのPCA(中山雅康)
はじめに/小児の疼痛に対する誤解/小児の痛みの表現と評価法/小児の疼痛管理法/小児でのPCAの適応/PCAの投与経路/薬液の選択/PCAの設定/副作用とその対策/Point

7.意識障害患者でのPCA(高橋正裕、古家 仁)
はじめに/頭頸部手術におけるPCA/高齢者におけるPCA/まとめ/Point

8.患者自己調節法による前投薬と鎮静(間宮敬子)
はじめに/術前の自己調節鎮静/ICUでの鎮静(patient-controlled sedation : PCS)/Point

9.緩和医療でのPCA(水上奈穂美)
はじめに/症例提示1/症例提示2/癌の痛みの特徴/癌性疼痛におけるPCAの意義/PCAの実際/おわりに/Point

10.ペインクリニックでのPCA(山内正憲)
はじめに/症例提示1/PCAの方法/経過/解説/まとめ/症例提示2/PCAの方法/経過/解説/まとめ/Point

11.無痛分娩のためのPCEA(角倉弘行)
はじめに/陣痛の機序/PCEAによる無痛分娩の歴史/PCEAによる無痛分娩の長所/PCEAによる無痛分娩の短所/PCEAによる無痛分娩の具体的方法/症例提示/Point

第5章 役割分担と展望

1.わが国の状況と変遷(小野晃市、川真田樹人)
はじめに/PCAの現状/わが国におけるPCAの問題点/PCA導入、体制確立に際しての問題点/PCAの普及に向けた方策/おわりに/Point2.チームアプローチによるPCA(飯嶋哲也)
はじめに/チーム医療、スキルミクス、そしてPCA/多職種間のコミュニケーション/共感的コミュニケーション/主治医の役割/麻酔科医の役割/看護師の役割/薬剤師の役割/臨床工学技士の役割/おわりに/Point3.看護師の役割(須山郁子)
はじめに/PCA施行患者の痛みのアセスメント/PCAを施行する患者への教育/PCA施行中の安全管理/Point

4.薬剤師の役割(鈴木良雄)
はじめに/薬剤師による調製業務/学会発表から/薬剤師によるチェック業務の拡大/まとめ/Point

5.臨床工学技士の果たす役割(佐藤健治)
はじめに/臨床工学技師とは/臨床工学技士によるPCAポンプ管理/まとめ/Point

6.保険点数(岩瀬良範)
はじめに/保険診療の原則/特掲診療料(手技料)、薬剤料/日本麻酔科学会の“術後疼痛管理料”要望/おわりに/Point

7.進化するPCA(澤田敦史)
はじめに/PCAに関する最近の論文/PCAの臨床に役立つウェブサイトの紹介/まとめ/Point

PCAあとがきに寄せて:PCAことはじめ、そして周術期管理チーム(落合亮一)
はじめに/教育の充実/多職種による連携/そして、周術期管理チームの役目/おわりに

ミニレクチャー

PCAを使っているのに痛みが強い場合(飯嶋哲也)
長期硬膜外留置の注意点(古瀬晋吾)
夜間にアラームが頻回に鳴る場合(高木俊一)
吐き気が強い場合(水上奈穂美)
痒みの強いとき(関山裕詩)
眠気が強い場合・呼吸抑制対策(若崎るみ枝、比嘉和夫)
尿閉がある場合(佐々木英昭)
術後鎮痛やPCAについての学会・研究会の紹介(佐藤可奈子)
アメリカの使用例(平田直之)
カナダの使用例(間宮敬子)
フィンランドの使用例(新谷知久)
中国の使用例(周 静、孟 凌新)