麻酔科学スタンダード Ⅱ臨床各論

麻酔科学スタンダード Ⅱ臨床各論

編集 日本大学教授 小川節郎・関西医科大学教授 新宮 與・慶應義塾大学教授 武田純三・千葉大学教授 西野 卓
ISBN 4-7719-0268-2
発行年 2003年
判型 B5
ページ数 377ページ
本体価格 9,500円(税抜き)
電子版 なし


第1章 中枢神経と麻酔/1   合谷木 徹,西川 俊昭

1-A  脳神経外科手術の麻酔/3

■6 血腫除去/9
■1 頭蓋内圧(intracranial pressure:ICP)の調節/3 ■7 血管減圧術/9
A.頭蓋内圧/3 ■8 シャント術/9
B.頭蓋内圧-容量関係/3 ■9 脊髄腫瘍/10
C.頭蓋内圧の調節/4 ■10 awake craniotomy/10
■2 脳腫瘍/4

1-B  神経疾患患者の麻酔/12

A.術前評価/4 ■1 うつ病/12
B.前投薬/4 A.治療/12
C.モニタリング/4 B.三環系抗うつ薬/12
D.麻酔導入と維持/4 C.モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOI)/13
E.術中の脳浮腫に対する対処/5 D.電気痙攣療法/13
■3 脳動脈瘤/5 ■2 躁病/13
A.術前評価/6 A.治療/13
B.前投薬/7 B.炭酸リチウム/13
C.モニタリング/7 C.カルバマゼピン/14
D.麻酔導入と維持/7 D.麻酔管理/14
E.覚醒/7 ■3 統合失調症/14
■4 動静脈奇形(arteriovenous malformation:AVM)/7 A.治療/14
■5 もやもや病/8 B.悪性症候群/14
A.術前評価/8

1-C  無痙攣性電気ショックの麻酔/15

B.前投薬/8 ■1 副作用/15
C.麻酔の導入と維持/8 ■2 麻酔管理/15
D.手術/8

第2章 循環器と麻酔/17

2-A  心・大血管手術の麻酔/19  稲田 英一

2-B  心疾患患者の麻酔/44  川人 伸次,大下 修造

■1 冠動脈バイパス術の麻酔/19 ■1 はじめに/44
A.冠動脈疾患の病態生理/19 ■2 心疾患患者の術前評価/44
B.冠動脈疾患患者の術前評価/19 ■3 虚血性心疾患/46
C.術中管理の目標/22 A.術前評価/46
D.冠動脈バイパス術の麻酔管理/23 B.麻酔管理/48
E.off-pump CABG(OPCAB)の麻酔管理/29 ■4 弁膜疾患/49
F.最小限侵襲直接冠動脈バイパス術(mini-mally invasive direct coronary artery bypass graft:MIDCAB)の麻酔/29 A.僧帽弁狭窄症(mitral stenosis:MS)/49
■2 大動脈弁狭窄症(aortic stenosis:AS)に対する大動脈弁置換術/30 B.僧帽弁閉鎖不全症(mitral regurgitation:MR)/49
A.病態生理/30 C.大動脈弁狭窄症(aortic stenosis:AS)/50
B.術前評価と管理/31 D.大動脈弁閉鎖不全症(aortic regurgitation:AR)/50
C.術中管理の目標/31 E.連合弁膜症/50
D.人工心肺後の管理/32 ■5 不整脈/50
■3 大動脈弁逆流症に対する大動脈弁置換術 A.麻酔中の不整脈の原因/51
(aortic valve replacement:AVR)/32 B.抗不整脈薬の分類/51
A.病態生理/32 C.麻酔中の不整脈の治療/51
B.術前評価と管理/33 D.ペースメーカ使用患者の麻酔/53
C.術中管理の目標/33 E.自動除細動器植え込み術の麻酔/53
■4 僧帽弁狭窄症(mitral stenosis:MS)に対する僧帽弁置換術(mitral valve replace-ment:MVR)/33 ■6 肺高血圧症/55
A.病態生理/33 A.肺循環/55
B.術前評価と管理/34 B.麻酔管理/55
C.術中管理の目標/34 ■7 先天性心疾患/56
■5 僧帽弁逆流症(MR)に対する僧帽弁置換術(MVR)や僧帽弁形成術(mitral valvulo-plasty:MVP)/35 A.分類と術前評価/56
A.病態生理/35 B.麻酔管理/56
B.術前評価と管理/36 ■8 心筋症/56
C.術中管理の目標/36 A.肥大型心筋症/56
■6 先天性心疾患手術/36 B.拡張型心筋症/57
A.小児循環系の特徴/36 ■9 心不全/57
B.ファロー四徴症根治術/37 A.麻酔管理/57
C.心房中隔欠損症閉鎖術/37 B.心タンポナーデ/59
D.心室中隔欠損症閉鎖術/37 ■10 高血圧症/59
■7 腹部大動脈瘤/38 A.分類と術前評価/59
A.病態生理/38 B.麻酔管理/60
B.術前評価と管理/38
C.術中管理の目標/38
D.麻酔管理/39
■8 解離性大動脈瘤/39
A.病態生理/39
B.術前評価と管理/40
C.術中管理の目標/40
■9 肺塞栓症に対する手術/40
A.病態生理/40
B.術前評価と管理/40
C.術中管理の目標/41
D.麻酔管理/41
■10 頸動脈内膜摘除術/41
A.病態生理/41
B.術前評価と管理/41
C.術中管理の目標/41
■11 その他の末梢血管手術/42

第3章 肺・縦隔と麻酔/61

3-A  肺・縦隔手術の麻酔/63  津崎 晃一

3-B  肺疾患患者の麻酔/82  五藤 恵次

■1 術前評価と準備/63 ■1 はじめに/82
A.術前評価/63 ■2 術前評価/82
B.術前準備/64 A.術後肺合併症に関係する患者の背景因子/82
■2 モニタリング/65 B.術前にチェックすべき呼吸器系の臨床症状と検査所見/84
A.気道内圧,流量-容積曲線/65 ■3 呼吸器疾患患者に対する麻酔計画/85
B.呼気終末二酸化炭素濃度測定/65 ■4 気管支拡張療薬とステロイド/86
C.パルスオキシメータ/65 ■5 各種疾患に対する麻酔管理/87
D.肺動脈カテーテル/65 A.喘息/87
■3 麻酔法の選択/66 B.慢性閉塞性肺疾患(COPD)/88
A.吸入麻酔/66 C.肺気腫患者に対する肺容量減少手術の麻酔/90
B.静脈麻酔/66 D.巨大ブラ/90
C.硬膜外麻酔/66 E.拘束性肺疾患/90
■4 一側肺換気/67 ■6 術後管理/91
A.適応/67
B.一側肺換気の方法/67
C.一側肺換気の生理/71
D.一側肺換気の管理/73
■5 肺・縦隔手術の麻酔/74
A.気道再建術/74
B.ブラ手術/74
C.lung volume reduction surgery:LVRS/75
D.縦隔腫瘍/76
E.大量喀血/77
F.気管支胸膜瘻/78
G.肺膿瘍と膿胸/78
H.漏斗胸/79
I.食道癌/79
J.肺胞洗浄/80

第4章 腹部外科手術の麻酔/93  佐藤 重仁

■1 はじめに/95 D.亜酸化窒素の是非/97
■2 術前評価の特徴/95 E.体位と呼吸・循環管理/97
A.体液,電解質,酸・塩基平衡異常の評価/95 ■4 術後管理/97
B.栄養状態/95 A.呼吸機能障害/97
C.肝機能障害/95 B.術後鎮痛/98
D.麻酔前投薬/96 ■5 腹腔鏡下腹部外科手術の麻酔/99
■3 術中管理の実際/96 A.気腹法による生理的変化/99
A.硬膜外麻酔併用全身麻酔/96 B.特殊体位による影響/103
B.筋弛緩/96 C.腹腔鏡下手術の麻酔/103
C.輸液/96

第5章 産科と麻酔/105  照井 克生

5-A  産科麻酔/107

D.全身麻酔/112
■1 妊婦の生理/107 ■6 妊娠中毒症/113
A.神経系/107 A.病態/113
B.心血管系/107 B.治療薬と麻酔上の考慮点/113
C.呼吸器系/107 C.麻酔管理/113
D.血液系/107 D.周術期管理/113
E.消化器系/108 ■7 無痛分娩/113
F.腎・尿器系/108 A.分娩出産の痛みの経路/113
G.内分泌系/108 B.硬膜外無痛分娩/113
■2 周産期薬理学/108 ■8 新生児蘇生/114
A.母体/108 A.アプガー指数/114
B.胎盤/108 B.新生児蘇生法/114
C.胎児/108 C.胎便吸引症候群(meconium aspiration syn-drome:MAS)/114
■3 子宮血流/109 D.呼吸促迫症候群(respiratory distress syn-drome:RDS)/115
A.子宮血流を規定する因子/109

5-B  妊娠中の患者の麻酔/116

B.麻酔薬が子宮血流に及ぼす影響/109 ■1 麻酔関連薬物の催奇形性/116
■4 産科治療薬と副作用/109 ■2 薬物による主な奇形症候群/116
A.子宮収縮薬/109 ■3 流早産/116
B.子宮収縮抑制薬/111 ■4 胎児モニタリング/116
■5 帝王切開の麻酔/111 ■5 頸管縫縮術/117
A.麻酔法の選択/111

5-C  婦人科手術/118

B.脊髄くも膜下麻酔/111 ■1 子宮外妊娠/118
C.硬膜外麻酔/112 ■2 子宮内容除去術/118

第6章 泌尿器と麻酔/119  土田 英昭,門田 和気

6-A  泌尿器科手術の麻酔/121

F.胸部X線写真/127
■1 神経支配/121 G.心電図/127
A.腎臓,尿管/121 H.腎血流量(renal blood flow:RBF)/127
B.膀胱,尿道,前立腺/121 I.糸球体濾過率(glomerular filtration rate:GFR)/127
C.睾丸,陰茎/122 ■2 薬物との関連/128
■2 麻酔管理の実際/122 A.前投薬/128
A.内視鏡手術/122 B.麻酔薬/128
B.根治手術/123 C.筋弛緩薬とその拮抗薬/129

6-B  腎疾患患者の麻酔/125

D.昇圧薬/130
■1 腎機能の評価/125 E.降圧薬/130
A.尿検査/125 F.ジギタリス/130
B.血算/126 ■3 麻酔管理の実際/130
C.血清電解質/126 A.軽度腎機能障害患者/130
D.生化学/126 B.中等度腎機能障害患者/130
E.血液ガス/127 C.高度腎機能障害患者/131

第7章 眼科手術の麻酔/133  佐倉 伸一,齊藤 洋司

■1 はじめに/135 C.緑内障/140
■2 眼の構造と機能/135 ■4 眼科麻酔管理の特殊性/140
A.眼球の解剖/135 A.眼球心臓反射/140
B.房水の産生と排泄/135 B.硝子体内へのガス注入/141
■3 眼内圧/136 C.眼外傷/141
A.眼内圧に影響を与える因子/136 D.斜視/142
B.麻酔と眼内圧/138

第8章 整形外科手術の麻酔/145  宮川 博司,野口 隆之

■1 側弯症/147 A.慢性関節リウマチの病態・疫学/153
A.側弯症の分類/147 B.術前評価ならびに臨床症状/153
B.臨床症状/147 C.麻酔管理/154
C.術前評価/147 ■3 人工股関節全置換術/155
D.側弯症に対する観血的治療法/149 A.人工股関節全置換術の適応/155
E.麻酔管理/149 B.人工股関節手術の特性/155
F.術後管理/152 C.麻酔管理/157
■2 慢性関節リウマチ/153 D.術後深部静脈血栓症/157

第9章 形成外科手術の麻酔/159  村川 雅洋

■1 出血防止/161 B.術中管理/165
■2 頭蓋顔面形成術の麻酔/162 C.術後管理/165
A.気道の確保/163 ■4 熱傷手術の麻酔/165
B.頭蓋顔面手術の特徴/163 A.薬物動態の変化/165
C.術中管理/164 B.術前評価/166
■3 口唇・口蓋形成術の麻酔/164 C.術中管理/166
A.気道の確保/164 D.熱傷瘢痕の二次修正の麻酔/167

第10章 耳鼻咽喉科手術の麻酔/169  槇田 浩史,野口 佳裕

■1 鼻と喉の手術の麻酔/171 E.耳鼻咽喉科領域の特殊な麻酔および気道管理上の問題/178
A.口腔,咽頭,喉頭の構造/171 ■2 耳の手術/181
B.反回神経麻痺/172 A.中耳炎/181
C.喉頭痙攣/173 B.N2Oと中耳の圧/182
D.頭頸部手術/174

第11章 口腔外科手術の麻酔/185  仁田原慶一,比嘉 和夫

■1 顎顔面手術の麻酔/187 ■2 歯科外来麻酔/191
A.歴史/187 A.歴史/191
B.手術の種類/187 B.適応/191
C.麻酔導入/187 C.前投薬/191
D.経鼻挿管について/188 D.吸入麻酔薬による導入/191
E.術中の合併症/188 E.静脈麻酔薬による導入/192
F.特殊な手術/189 F.ラリンジアルマスク/192
G.外傷患者の緊急手術/189 G.精神鎮静法/192
H.精神発達遅滞患者の麻酔/190 H.外来患者の帰宅判定/193

第12章 レーザー手術の麻酔/195  野坂 修一

■1 レーザーとは/197 ■6 口腔内,喉頭を含めた気道系領域のレーザー手術の麻酔/200
■2 レーザー光の種類と選択/197 A.気管挿管法/201
■3 レーザー機器使用上の注意点および合併症/197 B.ジェット換気法/201
■4 目に対する防御/198 C.高頻度ジェット換気法/201
■5 気管チューブの発火対策/199 D.自発呼吸法/201
A.気管チューブの選択と防御/199 E.無呼吸下酸素投与法/202
B.吸入ガスの選択/200 ■7 婦人科領域のレーザー手術の麻酔法/202
C.気管チューブの発火後対策/200 ■8 皮膚科・形成外科領域のレーザー手術の麻酔法/202

第13章 合併症患者の麻酔/205

13-A  肝疾患患者の麻酔/207  足立 健彦,福田 和彦

13-D
肥満患者の麻酔/229  井手 康雄

■1 はじめに/207 ■1 肥満について/229
■2 麻酔の肝臓に及ぼす影響/207 ■2 脂肪分布と合併症/229
A.麻酔および手術と肝血流/207 ■3 病的肥満患者の生理学/230
B.麻酔薬の肝毒性/208 A.病的肥満患者の呼吸病理学/230
■3 肝疾患患者の術前評価と管理/208 B.病的肥満患者の循環病理/231
■4 肝疾患患者の術中管理/209 C.病的肥満と消化器の病理/231
A.急性肝炎/209 D.病的肥満患者の薬理学/231
B.慢性肝炎,肝硬変/209 ■4 病的肥満患者の麻酔の臨床/232
C.胆汁うっ帯性疾患/210 A.術前回診/232
■5 術後肝不全/210 B.前投薬/233

13-B
糖尿病・内分泌疾患患者の麻酔/212
細川 豊史

13-E
血液・代謝性・自己免疫疾患患者の麻酔/235
門田 善民,上村 裕一

■1 糖尿病患者の麻酔/212 ■1 血液疾患患者の麻酔/235
A.糖尿病の基礎知識/212 A.赤血球数異常(貧血症,多血症)/235
B.術前検査と管理/213 B.白血球数異常(白血球減少症,白血球増多症)/235
C.麻酔法の選択と術中麻酔管理/214 C.血小板数異常(血小板減少症,血小板増多症)/236
D.術後管理/215 ■2 代謝性疾患患者の麻酔/236
■2 内分泌疾患患者の麻酔/215 A.高尿酸血症/236
A.インスリノーマ/216 B.ポルフィリン症/237
B.副腎皮質機能不全/216 C.糖原病/237
C.クッシング症候群(Cushing症候群)/216 ■3 自己免疫疾患/238
D.褐色細胞腫/217 A.慢性関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)/239
E.甲状腺機能亢進症/217 B.全身性エリテマトーデス(systemic lupus ery-thematosus:SLE)/241
F.甲状腺機能低下症/218 C.抗リン脂質抗体症候群(antiphosphlipid syn-drome:APS)/242
G.原発性アルドステロン症/218
H.カルチノイド症候群/219
I.上皮小体機能亢進症/219
J.下垂体機能亢進と機能低下症/219

13-C
神経・筋疾患患者の麻酔/221
鈴木 孝浩,小川 節郎

■1 悪性高熱症/221
A.病因/221
B.診断基準と症状/222
C.治療/222
D.予防/223
E.筋生検による本症の診断/223
F.類似疾患/223
■2 重症筋無力症/223
A.病態/223
B.診断/224
C.治療/224
D.麻酔管理/225
■3  筋無力症候群(イートン・ランバート症候群)/225
■4 進行性筋ジストロフィ/226
A.病態/226
B.麻酔管理/226
■5 強直性ジストロフィ/227
A.病態/227
B.麻酔管理/227
■6 多発性筋炎および皮膚筋炎/227
A.病態/227
B.麻酔管理/228

第14章 老人の麻酔/245  北島 敏光

■1 高齢者の生理学的特徴/247 ■3 術中の患者管理/251
A.呼吸器系/247 A.循環管理/251
B.循環器系/248 B.呼吸管理/251
C.肝機能/248 C.体液管理/251
D.腎機能と水分・電解質/248 D.体温管理/251
E.代謝系/249 ■4 術後合併症/252
F.中枢神経系/249 A.覚醒遅延/252
■2 麻酔法と麻酔薬の選択/249 B.術後精神障害/252
A.前投薬の選択/249 C.高血圧/253
B.麻酔導入,麻酔維持に使用する麻酔薬に関する注意事項/250 D.低体温/253
C.導入時の注意点/250 E.肺合併症/253
D.局所麻酔法の選択/250 F.虚血性心疾患/254

第15章 小児麻酔/255  木内 恵子

■1 主要臓器の発達生理/257 D.麻酔維持/265
A.呼吸器系/257 E.麻酔からの覚醒/265
B.心血管系/258 F.麻酔中のモニター/265
C.体液の分布と腎機能/258 G.術後管理/266
D.体温調節機能/259 H.輸液/266
■2 麻酔薬の薬理と薬物動態学/259 ■5 小児に行う区域麻酔/266
A.吸入麻酔薬/259 ■6 新生児期の緊急手術/266
B.静脈麻酔薬/260 A.消化管閉鎖/266
C.麻薬/260 B.腹壁異常/268
D.筋弛緩薬/261 C.先天性横隔膜ヘルニア/268
■3 術前準備/262 D.幽門狭窄/269
A.術前禁食時間/262 E.仙尾部奇形腫/269
B.術前のチェック項目/262 F.頸部リンパ管腫(lymphangioma of the neck, cystic hygrome of the neck)/269
C.術前投与薬の取り扱い/262 G.水頭症/270
■4 小児の麻酔法/263 ■7 超低出生体重児,極低出生体重児の麻酔/270
A.麻酔回路/263 A.未熟児網膜症の防止/270
B.気道確保/263 B.脳室内出血の予防/270
C.麻酔導入/264 C.その他の注意点/271

第16章 検査室での麻酔/273  福田  悟,鈴木 久人,江口 広毅

■1 はじめに/275 B.MRI室での麻酔/278
■2 一般的考察/275 C.心臓カテーテル検査/280
A.検査室での麻酔機器・モニターの設備基準/275 D.気管・気管支ステント挿入術/280
B.検査室での鎮静・麻酔/275 E.放射線照射の麻酔/281
C.造影剤による副作用/276 F.INR(interventional neuroradiology)/281
D.放射線被曝/276 G.体外衝撃波結石破砕術の麻酔/282
■3 各検査室での麻酔/278 ■4 おわりに/282
A.CT室での麻酔/278

第17章 日帰り麻酔/285  上田 直行,加納 龍彦

■1 はじめに/287 A.麻酔前投薬/291
■2 基本的な日帰り手術・麻酔の流れ/287 B.静脈確保,術中モニター/292
■3 麻酔科医の果たす役割/287 C.気道の確保/292
A.日帰り麻酔ソフト面での麻酔科医の実務役割/287 D.麻酔薬/292
B.日帰り麻酔ハード面での麻酔科医の役割/289 ■6 覚醒・PACU・SDR・帰宅基準・帰宅後のケア/294
■4 適応の評価と選別/289 A.術直後の集中管理/294
A.術前診察/290 B.SDRでの観察と帰宅許可/294
B.術前検査/290 C.帰宅後のケア,フォローアップ(電話)/295
■5 麻酔法/291 ■7 おわりに/295

第18章 救急手術の麻酔/299

18-A  ショック患者の麻酔/301 川真田美和子

18-C 外傷患者の麻酔/315 巌  康秀

■1 ショックの病態生理/301 ■1 外傷患者について/315
■2 ショックの初期治療/302 ■2 術前管理/315
A.気道確保,換気/302 A.重症度評価/315
B.血管確保/302 B.ストレス反応/316
C.輸液,輸血/302 C.輸液/316
■3 モニタリング/304 D.術前評価/318
A.循環/304 E.モニタリング/318
B.呼吸/304 F.インフォームドコンセント/318
C.血液/304 G.前投薬/319
D.体温/304 H.麻酔法の決定/319
■4 麻酔管理/304 ■3 麻酔導入/319
A.麻酔薬の選択/304 A.静脈麻酔/319
B.輸液・輸血/305 B.フルストマック/319
C.体温/305 C.筋弛緩薬/319
D.呼吸/305 D.気管挿管/319
■5 術中術後の合併症と対策/306 ■4 麻酔維持/320
A.脳神経合併症/306 A.麻酔法/320
B.呼吸器合併症/306 B.低体温/320
C.循環器合併症/306 C.凝固異常/320
D.腎副腎合併症/307 D.低酸素血症/320
E.筋骨格系合併症/307 E.輸液・輸血/321
F.消化管合併症/307 ■5 麻酔覚醒/321
G.肝合併症/307 ■6 術後管理/321
H.血液凝固系合併症/308

18-B  充満胃(フルストマック)の麻酔/309
川真田美和子

18-D  熱傷患者の麻酔/322
森崎  浩

■1 逆流防止機構と気道反射/309 ■1 はじめに/322
■2 誤嚥の防止/310 ■2 病期と病態/322
■3 気道確保の方法/311 A.蘇生期(受傷-24時間)/322
A.意識下挿管/311 B.回復期(2-6日)/322
B.迅速導入(crush induction)/311 C.感染期(7日以降)/323
C.その他の気道確保の方法/312 ■3 術前評価のポイント/323
■4 抜管時の注意/312 A.受傷時期と重症度評価/323
■5 誤嚥性間質肺炎と誤嚥性肺炎/312 B.熱傷の原因/324
C.気道熱傷の有無/324
D.合併症の有無/324
E.手術部位と準備血液の確認/324
■4 麻酔法/324
A.麻酔管理上の特徴/324
B.麻酔法の選択/326
C.術後痛対策/326
■5 まとめ/326

第19章 臓器移植と麻酔/329

19-A  脳死判定とドナー管理/331
武田 純三

19-D  腎移植の麻酔/354
土田 英昭,門田 和気

■1 脳死判定にかかわる法律とマニュアル/331 ■1 日本の現状/354
■2 ドナー候補者が出たら/331 ■2 ドナーの管理/355
A.麻酔科医の立場で考えること/331 ■3 レシピエントの管理/355
B.臓器提供病院と脳死判定医/332 A.麻酔準備/356
■3 脳死判定作業/332 B.麻酔導入と維持/356
A.脳死判定/332 C.筋弛緩薬/356
B.無呼吸テストの実際/334 D.術中管理/356
C.今までの脳死判定上の問題点/335 E.筋弛緩薬の拮抗/357
D.脳死判定後/335 F.術後管理/357
■4 ドナー管理/335

19-E
骨髄移植の麻酔/358  落合 亮一

■5 家族とのかかわり/336 ■1 本邦における骨髄移植の歴史/358

19-B  肺移植,心臓移植の麻酔/337
林  行雄,真下  節

■2 骨髄採取術の実際/360
■1 肺移植の麻酔/337 ■3 骨髄提供者の麻酔管理/365
A.肺移植手術/337 ■4 骨髄移植レシピエントの麻酔/366
B.術前評価/337
C.麻酔管理/339
■2 心臓移植の麻酔/341
A.手術手技/341
B.術前評価と準備/343
C.麻酔管理/343
D.術後管理/345

19-C  肝移植手術の麻酔/347
足立 健彦,福田 和彦

■1 はじめに/347
■2 術前状態/347
■3 肝移植手術の概要/348
■4 術中管理/348
A.麻酔薬および筋弛緩薬/348
B.モニタリングおよび術中検査/349
C.輸液および輸血/349
D.循環管理/350
E.呼吸管理/351
F.血液凝固能の管理/351
G.体温管理/352
H.電解質管理/352
I.免疫抑制薬と感染予防対策/352
■5 術後管理/352
■6 おわりに/353
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平成12年,本郷三丁目のTYビル・日本麻酔学会(当時)事務局で開かれた広報委員会が終了したある日,克誠堂出版,故・今井 彰社長からお声がかかり,「最新の麻酔の知識を取り入れた上級者向きの麻酔科学の教科書を作りたい。読者対象は麻酔指導医試験受験者」「編集者は 55歳以下で,執筆者もできるだけ現役の方」というものであった。私のようなものでは無理と思っていたが,その後,間もなくして3名の編集者のお名前が挙がってきた。すなわち,千葉大学の西野 卓教授,慶應大学の武田純三教授,それに関西医科大学の新宮 興教授である。これらの方々のお力があれば,今井氏の思い描くすばらしい麻酔科学の教科書を作ることが可能であると確信した。以降,御茶ノ水の山の上ホテルにて数回の編集会議を経てその骨格ができ上がった。このような経緯によって本書が企画され発刊となった次第である。本書は4巻から構成されるが,第1巻目の発刊を待たずして今井氏がご他界なされたのはいかにも残念なことである。氏のご霊前に本誌を謹んでお供えしたい。

麻酔科学の分野はあまりにも広い。解剖学,生理学,薬理学など基礎医学の知識の上に構築されていることはもちろん,内科学の広い知識を必要とする学問でもある。鍛練の必要な技術の習得も課されている。しかし,だからこそ麻酔科学がおもしろく,興味の尽きない学問であることを物語っていよう。麻酔科医といっても施設や,おかれた環境によって,習得できる知識に偏りができてしまうことはいたしかたないことである。そして多くの麻酔科医は日常の臨床業務を行いながら知識の習得を行い,そして麻酔指導医試験に備えている。そのような状況にある麻酔科医にとって,程度の高い麻酔科学の知識を分かりやすく習得できる教科書が必要である。本書のコンセプトは,書名「麻酔科学スタンダード」のとおり,麻酔科医にとって日々の教育,臨床において必要な基礎的知識とともに,現在この分野で標準的であると考えられている知識・情報を分かりやすく提供することにある。従って,エキスパート・オピニオンによる情報・知識は避け,EBMの立場からもできるだけ質の高い新しい知識を掲載することを各ご執筆者の方々にお願いした。同時に過去の麻酔指導医試験問題を参考とし,本書の内容が指導医試験に十分対応できるものであることを前提としてご執筆いただいている。

第1巻は「臨床総論」,第2巻は「臨床各論」,第3巻は「基礎」そして第4巻は「関連領域」とした。各巻それぞれの項目は,その分野を得意とする方々にご担当いただいた。脱稿された原稿は4名の編集者が必ず全員で目を通して,本書のコンセプトに見合ったものかをチェックさせていただいている。加筆,修正をお願いした先生には,この紙面をもって失礼の段おわび申し上げる次第でありますが,どなたも快く応じていただき,編集者一同,こころより感謝の意を表するものであります。

毎年,新しい薬が世に出てきたり新しい麻酔法やモニター機器が開発されてきたりと,麻酔科学の分野でもその内容は日々大きく変化している。今の時点でより優れた方法とされているものも,数年後には別の評価を得るということもまれではない。読者の皆様からのご批判に答えながら,今後そのような変遷にも目を向けて本書が長い命を受け継いでくれることを願いつつ,序文としたい。

2003年1月
小川節郎

II 臨床各論 序文

「麻酔科学スタンダード」は全4巻の発刊が予定されている。「麻酔科学スタンダードI臨床総論」が本年3月に発刊され,この度「麻酔科学スタンダードII臨床各論」が発刊する運びになった。麻酔臨床は総論と各論が両方そろって初めて臨床的意義を持ち,患者の生命と安全を守る役割をなすようになると考えている。本編は先の「I臨床総論」を超える400ぺ一ジを上回り,読み応えのある内容となっている。

現在の医療は日進月歩といわれる。それを反映するかのように日常の臨床では急速に変遷を来している。麻酔法は麻酔薬や麻酔の技術の進歩によって変わっていく部分と,新しい術式の導入や手技・装置の開発によって変わっていく部分とがあり,それらによって影響を受ける病態生理などの変化に対応できる麻酔管理が求められる。いやおうなしに麻酔科医は,その変化に直面し,対応を迫られている。

本書では新しい情報をできる限り取り入れるよう項目を厳選した。しかし,紙面の都合上割愛せざるをえないところもあったが,第一線で活躍する麻酔科医にとって必要な情報を提供することを柱として取捨選択を行った。臨床の基となる基礎は第III巻を,周辺領域は第IV巻を参照いただきたい。本来本書は,麻酔専門医を目指す麻酔科医への知識の提供を目指して企画されたが,でき上がったものは,臨床麻酔家にとって日常臨床で直面する変化に十分に対応できる内容となっている。

“スタンダード”とは“標準”や“基準”である。百科事典のように長くはなく,また“ポケットブック”でもない。4冊という手ごろな巻数と400ぺ一ジ前後の厚さにまとめられている。本書が麻酔科学の基準となり,麻酔科医にとって役立つことを願っている。

終わりに,多忙の中にもかかわらず,立派な内容の執筆をいただいた先生方に深謝いたします。また,このような短時間で本書を作製していただいた克誠堂出版株式会社のスタッフの皆様に感謝するとともに,本書の企画が始まったときにはまだご存命であった故今井彰前社長のご冥福をお祈り申し上げます。

2003年7月
編集者一同