麻酔 2021年1月号
【特集】災害医療における麻酔科医の役割


ISBN
発行年 2021年
判型 B5
ページ数 130ページ
本体価格 2,600円(税抜き)
電子版 あり

M2Plus<電子版>

70巻1号昨今、より大規模な自然災害が頻発している。災害による負傷者への対応ばかりでなく、医療施設あるいは医療者の被災とそれによる医療活動の制限や停止など、その影響は甚大である。地域で担ってきた平時の医療活動も突然停止し、その復旧には長期間を有してしまうことも稀ではない。そのため、一定規模の大災害を想定した事業継続計画(Business Continuity Plan: BCP)を策定している施設も増加している。しかし、BCPが現場の医療スタッフにどれだけ浸透しているかは疑問である。また、その災害の種類や規模は我々の予想を超えることもしばしばであり、入念な準備以外にも臨機応変に対応できる柔軟性も必要である。救急医療や集中治療に関わる麻酔科医には、もちろん直結する課題であるが、手術室で働く麻酔科医にも重要な臨床課題である。
本特集では、平時の準備、災害発生直前の対応、直後、災害発生後に様々な領域で働く麻酔科医が、職場であるいは自宅で、どのような行動をとるべきか、医療施設責任者ばかりでなく、麻酔科医個人に役立つ情報を提供した。

第70巻第1号(2021年1月号)
●巻頭言
 麻酔科の歴史を振り返り,これからを考える (内田寛治) 1
●特集
 災害医療における麻酔科医の役割
 緒言とまとめ:災害医療における麻酔科医の役割―コロナ禍の今― (磯野史朗) 2
 事業(業務)継続計画の麻酔科内定着のコツ (小澤章子) 4
 被災地および周辺地域における医療と行政の役割と連携 (安部隆三ほか) 14
 突然発生した大規模災害:発生直後の麻酔科医の役割と行動―麻酔科医が手術部の危機を救う― (外山裕章ほか) 21
 気象災害が予測されるときの麻酔科医の役割と行動―防災気象情報をどう活用するか― (木山秀哉) 29
 手術室内での被災を想定した訓練の実施と効果―多職種でのシミュレーション― (佐藤 仁ほか) 42
 大規模国際イベント開催時の大規模災害対策にチームの一員としての麻酔科医の貢献―東京オリンピック・パラリンピック時の対応― (倉橋清泰) 49
●講座
 統計ノート-13 分布の正規性の確認(4) (浅井 隆) 55
●速報
 新型コロナウイルス感染症患者に対する当院での気道マネージメント指針 (武石健太ほか) 59
●短報
 右側大動脈弓併存患者に対する左用二腔気管支チューブの挿入が困難であった麻酔経験 (武内三希子ほか) 64
 肺高血圧症を有する気腫合併肺線維症患者に発症した気胸に対してveno-arterial extracorporeal membrane oxygenation(VA-ECMO)補助下で胸腔鏡下肺縫縮術を施行した麻酔経験 (牧田英恵ほか) 68
 左内頸静脈に挿入した中心静脈カテーテルが予期せぬ静脈に迷入した2症例 (隈元泰輔ほか) 73
 埋め込み型中心静脈ポートのカテーテル断裂により右室・肺動脈に迷入した離断カテーテルを全身麻酔下に経皮的血管内治療によって回収した1症例 (前原 智ほか) 77
 咽頭がんに対する経口的内視鏡手術施行後に予期せず気管切開を施行した2症例 (阪井茉有子ほか) 81
 卵子提供により妊娠したターナー症候群合併妊婦の帝王切開術における心疾患リスク評価と麻酔管理 (鈴木香合ほか) 84
●症例報告
 冠動脈3枝病変合併続発性気胸に対し心肺同時手術を施行した1症例 (長谷川翔子ほか) 89
 幽門側胃切除術後に肝梗塞を発症した1症例 (春田 愛ほか) 94
●紹介
 蘇生の歴史:47.血液循環の発見(21):毛細血管-2―Antonie Philips van Leeuwenhoek― (浅井 隆) 98
外国文献紹介 106
書 評 108
投稿規定 109
ニュース 115
お知らせ 118